誰もが1度は経験したことがあるであろう腰痛。幼稚園教諭や保育士さんといった職業の方から重たいランドセルを背負う小学生にも起こる現代病となっています。
そんな腰痛の原因は様々ですが、日常生活や仕事中の姿勢が腰に負担をかけて腰痛につながるのはご存知でしょうか。
今回は、日常生活や仕事中の姿勢によってどのように腰の負担がかかるのかを解説していきたいと思います。
人には必ず脊柱(背骨に当たる部分)があり、頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個あります。脊柱は、頚椎・胸椎・腰椎でS字のカーブを描いており、頚椎が腹側、胸椎が背中側、腰椎が腹側に弯曲しています。
このS字カーブが脊柱にあることで、身体を動かす際に床から受ける衝撃を吸収するサスペンション機能があると言われています。
頚椎・胸椎・腰椎それぞれの弯曲がなくなることで、サスペンション機能がうまく働かなくなるため腰や股関節、膝に過剰に負担がかかるようになります。
![](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2021/10/youtsui.jpeg)
一般的に腰と呼ばれる部分には腰椎という骨が5つ存在しており、それが骨盤にある仙骨と椎間板で連結しています。それぞれの骨をつなぐ椎間板は、クッション性の高い組織で、腰の可動性を生み出しています。
上下の腰椎と椎間板によって出来ている椎間孔という穴から脊髄から出た神経が通り、筋肉などにつながっています。
![腰椎の骨格構造です。腰椎は5つあり、その間を椎間板がつないでいます。また第1腰椎は第12胸椎と第5腰椎は仙骨と椎間板で連結しています。腰椎には生理的前弯があります。](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2021/10/youtsui_kokkakukouzou-1-225x300.jpeg)
腰椎の間それぞれに椎間板がありますが、実は、姿勢によって椎間板に掛かる負担が異なるというのはご存知でしょうか。体重70kgの人の第三腰椎椎間板内圧をスウェーデンの整形外科医であるナッケムソンが数値化した研究があります。
![スウェーデンの整形外科医であるナッケムソンが数値化した姿勢と椎間板内圧の関係性を示した図](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2023/12/shisei_tsuikanban_naiatsu.jpeg)
掲載した図は、姿勢の違いによる椎間板内圧の変化を示したものです。まっすぐ立った姿勢で椎間板にかかる圧力を100%とすると、仰向けに寝ると25%、椅子に座ったときは140%、椎間板に圧力がかかるという結果が出ています。圧力が高ければ高いほど腰に負担がかかることを意味しています。
まっすぐ立った姿勢に比べて前傾姿勢や前傾姿勢で荷物を持つ姿勢は1.5〜2倍の負担がかかることがわかります。前傾姿勢が長くなると腰が痛くなったり、座った状態が長いと腰が痛くなるのは、まっすぐ立っているときよりも負担がかかっているからなんです。
また、前傾姿勢でも座る姿勢でも腰を丸めた状態・反りすぎた状態の場合、さらに椎間板への負担が大きくなるため腰痛のリスクは高くなります。腰が丸まった状態が続くことで腰椎椎間板ヘルニアが起こったり、腰が反った状態が続くことで腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症が起こる可能性が高くなります。
姿勢による変化で椎間板内圧が高くなり、腰へ負担がかかるとお伝えしましたが、日頃生活する上で、腰への負担を少しでも減らすためには何をしていくことがいいのでしょうか。簡単にできる方法をご紹介します。
床のものを持ち上げるとき、寝ている子どもを抱き上げるときなど立ったまま前傾姿勢で持ち上げる人は多いかと思いますが、その動作を繰り返すことで腰痛が起こりやすくなります。
必ずしゃがみ、荷物や子どもに身体を近づけてから持ち上げることで腰に係る負担を減らします。
両足を伸ばしたまま前傾姿勢で物を取ったり子どもを抱き上げたりするのは極力避けましょう。
![](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2024/01/bad_pick_up_motion-300x300.jpg)
デスクワークや在宅ワークが増えている中で長時間椅子に座っている人も多いと思います。腰痛が起きないようにするためには、座る姿勢に関しても、背中や腰を後ろ側に丸めるように座ると椎間板への負担が大きくなるため椅子についている背もたれをうまく活用したり、頭の天辺から紐で吊り上げられるようなイメージで姿勢を正すことが大切です。
![](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2024/01/good_sitting_image-300x300.jpg)
腰の負担を減らすためには、腹横筋という上半身と骨盤を支えるお腹の筋肉や骨盤底筋群という内臓を下から支えている筋肉に力が入っていることが大切です。2つの筋肉が働くことで上半身を支えるために必要な体の中の圧力(腹腔内圧)が高まるとともに、腰椎をしっかりと支えることができるため負担を減らすことができます。
それを簡易的に発揮する方法が『お小水(おしっこ)を止める力を入れる』なのです。
しかし、前述した前傾姿勢で床から物を持ち上げるなどの行動はお小水止める力を入れていても椎間板に負担がかかることには変わりありませんので、しゃがんでから物を持ち上げる際に活用するのが効果的です。
姿勢を気をつけて予防することも大切ですが、どうしても腰に負担をかける姿勢にはなってしまうことも多いです。その場合は、腰に負担をかけた筋肉をしっかりとほぐしてケアしてあげることが大切です。
前傾姿勢の場合、腰の筋肉だけでなくお尻の筋肉、太もも裏の筋肉などにも負担がかかるためストレッチなどを行い筋肉の張りを緩めてあげましょう。
場合によっては、腹側の筋肉の硬さが原因になって腰痛が起こる場合もあるため、腰痛が起こってストレッチしても取れない場合はすぐに専門家に相談しましょう!
セルフケアや姿勢の工夫についてお話しましたが、自分自身だけで改善しようにもうまくいかない方は多いと思います。そういった場合は必ず専門家に相談してください。
姿勢の違いによる腰への負担についてご紹介しました。前傾姿勢が多かったりものを持っている時間がながければ長いほど腰への負担が大きくなることがわかっていただけたでしょうか。
前傾姿勢での作業が多い現場作業や重たい荷物を運ぶ職業の方、授乳・おむつ交換・抱っこなどをする産後ママが腰痛が起きやすいのは、椎間板内圧が過度にかかる姿勢になることが多いということです。
腰への負担がかかりやすい分、仕事や作業以外でのセルフケアがとても大事になります。マッサージもいいですが、腰に負担がかかる姿勢が多くなったことによる筋力バランスの崩れもみられやすいため、適宜筋力トレーニングをすることもとても大事です。
熊谷市石原にある整体サロンHarmonia(ハルモニア)は、肩こり・腰痛・産後のケア・楽器奏者のコンディショニング・スポーツコンディショニングを行う施術だけでなく、予防にも力を入れた整体サロンです。
筋筋膜性腰痛はもちろん、ぎっくり腰、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症などの方の施術にも対応しております。
なかなか取れない腰の痛みや足のしびれにお困りの方はぜひハルモニアへご相談ください。
![腰痛に対する腰部多裂筋への筋膜リリースを行っているところです。ハルモニアは腰痛に対する治療も行っています。](https://harmonia-corpus.com/wp-content/uploads/2022/10/youtsuu_massage_woman.jpeg)
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