通勤・通学・子どものお迎え・お買い物に使われる自転車。クロスバイクやロードバイクで通学している学生さんやロードバイクでポタリングされる方も見かけることが多くなりました。また、運動不足を解消しようと有酸素運動をするためにご自宅やジムでエアロバイクを漕いでいる方もおられると思います。
一般的に自転車は、歩いたり走ったりするよりも股関節・膝関節の負担が少ない運動の一つと言われています。
ですが、ペダルを踏みしめたときに「あれ?膝が痛いな…」と感じることありませんか?そのうち痛みが引くだろうと放っておいてもやっぱり痛いなんてことも。
実は自転車に乗っていて膝が痛いのは、自転車を漕ぐ脚への疲労が抜けなくなっているサインです!では、どうして膝が痛くなるのでしょうか。今回は、自転車を使うことで起こる膝の痛みの原因について解説していきます。
では膝が痛くなる原因をいくつかご紹介します。
膝が痛くなる原因の一つにサドルの高さがあります。サドルの高さを高くしたり低くしたり調整して乗り比べたことはありますか?
サドルが一番低いまま自転車を漕いでいると、膝の位置が股関節の位置よりも高くなり、ペダルを下まで踏みしめても膝が伸びきらなくなります。

すると、膝を伸ばす際に働く太もも前側にある大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋)という4種類の筋肉のうち中間広筋・外側広筋という筋肉に過剰な負担がかかるようになります。

そうすることで中間広筋・外側広筋を中心に疲労が蓄積し、膝のお皿の骨(膝蓋骨)が外側に引っ張られる力が必要以上にかかってしまい、疲労を回復させるためのアフターケアが無いと結果としてお皿の骨の上側やお皿の骨の下内側に痛みを生じるようになります。
自転車のサドルの高さ調整に関するお話は、別の記事にてまとめていますのでぜひそちらもご覧ください。

サドルの高さを調整してある程度高くしているから膝より股関節の位置が低くなることがないにもかかわらず膝が痛くなることがあるという場合に考えられることの一つとして、「ペダルを土踏まずに当てて踏んでいる」というのがあります。
実は、ペダルは指の先から付け根までで踏みしめられると足の裏・ふくらはぎの筋肉を最大限活用できるため太もも前側の負担が減らせるのですが、土踏まずで踏んでいると足の裏・脹脛の筋肉を活用することができず、太もも前面の筋肉に負担がかかりやすくなります。
本来、人間の膝の関節が伸びるとき、膝から下の脛骨という骨に対して大腿骨が前方へ転がり、後方へ滑るという関節運動が起こります。

ですが、大腿骨が後方へ滑る動きが出せなくなるくらい脛骨が後方へ引かれる(相対的に大腿骨が前方へ滑ったまま)状態になってしまうと、膝のお皿の骨の周囲に引き伸ばされるストレスがかかりつづけるため痛みへと変わることもあります。
先に述べた、サドルが低い状態でペダルを土踏まずで踏むと、太もも裏にあるハムストリングスという筋群が過剰にはたらいてしまい、脛骨が後方へ引かれるストレスが増えるため、相対的に大腿骨の後方への滑りが起きにくくなり、膝関節に負担がかかるようになります。
ペダルを踏むとき膝の向き・つま先の向きどうなっていますか?
正面から身体を見たときに、股関節・膝関節・つま先が縦に並んでいるように位置しているとペダルを踏むときの膝へのストレスは最小限です。
しかし、以下の写真のように
- 膝が内側に入って(内股)つま先が外に向いている状態
- 膝が外側に向いて(ガニ股)つま先が内側に入っている状態
では、それぞれにおいて膝に対してねじれのストレスが加わるようになります。



ねじれていても若いうちや筋力があるうちは痛みを伴いませんが、若くても筋力がなかったり、同じ負担がかかった状態で自転車をこぎつづけることで痛みにつながっていきます。
自転車に乗るときは、サドルとペダルが体重を支える箇所になりますが、サドルに座るときにお尻の中心がサドルの中央に合っているとバランスよく座れていますが、
- 左右どちらかにお尻の中心がずれている
- お尻がどちらかに下がっている
といった座り方の崩れも膝の痛みが出る原因となります。
ぎっくり腰を経験していたり、普段横座りや脚組み座りをしていたり、ペダルを片側だけ強く踏みしめていたりすると腰・股関節周囲の筋力バランスが崩れてしまい痛みとなります。
- サドルをしっかりと固定したのに、徐々にサドルの先が左右どちらかに向いてしまう
- サドルの左右どちらかが沈み込んで変形している
といったことがある場合は、体幹・股関節においての姿勢・筋力バランスの崩れがあると考えても良いかと思います。
サドルの高さが低いことで膝に負担がかかりやすことを解説しました。適切なサドルの高さは、先に紹介した記事にて詳しく解説していますのでぜひ御覧ください。

ペダルを踏む位置を土踏まずからつま先〜足の指の付け根の範囲で踏むようにすると脚全体の筋肉を活用することができます。
つま先〜足指全体で踏みしめるように意識してみましょう。
膝に負担をかける原因となっている筋肉の硬さを取ることもとても重要です。
膝の痛みを押さえる方法の一つに先に紹介した中間広筋・外側広筋の筋肉の柔軟性を取り戻す必要があります。
太もも前側の筋肉のストレッチ方法としてYouTubeの一つの動画をご紹介しますので参考に行ってみてください。
上記の動画のストレッチ以外にも、以下に示すふくらはぎ(下腿三頭筋・後脛骨筋など)のストレッチや太もも裏側のハムストリングスをストレッチをやっても痛みが軽くなる場合があります。


ただし、身体の使い方や姿勢によって硬くなっている筋肉は異なるため、身体の動きを理解している理学療法士などに一度相談し、自分にあっているストレッチやトレーニングを指導してもらえると良いかと思います!
ロードバイクにおいては、ビンディングシューズで乗られている方が多いかと思います。シューズをペダルに固定するクリートの前後位置やつま先の向きを調整し膝にかかるねじれる負担を最小限に抑えるという方法もございます。

膝が内側・つま先が外へ向く人は、つま先を向きやすくなるよう調整したり、逆につま先が内向きになりやすい方は外向きに調整することも案として挙げられます。
少しずつ微調整して自分の漕ぎやすいクリートポジションを探してもらうとよいかと思いますが、つま先が外向きだからクリートも外向きに合わせると合わせたときは痛みが少なくても後々痛みが出現するリスクがありますのでご注意ください。
クリートの位置や向きを調整しても膝の痛みが取れない場合は、クリートで調整できる範囲の膝ストレスではなくなっているということなため、ストレッチや筋力バランスを整えるエクササイズなど身体のバランスを整えることが大切になります。
理学療法士は、姿勢や動作から身体の不調を見つけ出す専門家です。自転車の姿勢から膝への負担を見つけ出し、原因に対してストレッチやトレーニングなどの手段を用いて痛みの改善に導きます。
膝の痛みにて病院へ受診した際に理学療法士のリハビリを受けることができるか担当の医師に相談してみるのも良いでしょう。
温熱療法や電気療法だけでは、痛みが引いたとしても関節に掛かる負担は残存しているため再発するリスクを秘めていますので運動療法をしてもらえるところが良いでしょう。
自転車に乗ると膝が痛くなってしまう原因について解説してきました。サドルが低い上に土踏まずでペダルを踏んでいる方は、股関節が膝よりも高い位置になるようにサドルを高くし、足の指〜付け根まででペダルを踏むようにしてみましょう!
膝よりもつま先が外あるいは内側に向いたまま漕いでいる方は、セルフケアで解決できない場合は、身体の動きを解決できる理学療法士などに相談しましょう。
自転車の膝の痛みを放っておくと、後々変形性膝関節症になるリスクが高くなります。膝の関節は一生もの。再生医療も進んでいますが、軟骨は再生されても骨まですり減ったら手術して人工関節にするしかありません。
ハルモニアでは、理学療法士が在籍する整体サロンです。姿勢や動作から痛みが起こる原因を探し出しアプローチできます。実際の自転車乗車での身体負担を考えてストレッチやトレーニングをご提案できます。
ママチャリで膝が痛い人はもちろん、ロードバイクに乗っていて膝がいたい方もお気軽にご相談ください。ポジション調整しても膝が痛い場合は、姿勢の歪みが原因なことも多いです。ロードバイクを全力で楽しむために、身体の不調を整えて楽しくサイクルライフを楽しみませんか?
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