出産という大仕事を終え、新しい命を育む喜びに満ちた日々。しかし、その一方で多くの新米ママが経験するのが、体の不調です。特に「膝の痛み」は、赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したり、階段を上り下りするたびにズキッと響き、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
「これって産後だから仕方ないの?」
「いつになったらこの痛みから解放されるんだろう?」
そんな不安を抱えているあなたへ。今回は、産後に起こる膝の痛みの主な原因と、そのつらい痛みを和らげ、快適な毎日を取り戻すための整体の役割について詳しく解説します。
妊娠前には感じなかった膝の痛みが、なぜ産後に起こるのでしょうか?その原因は、膝そのものだけでなく、体の使い方や姿勢の変化に隠されています。
主に以下の3つの要因が考えられます。
妊娠中にお腹が大きくなり、出産では交通事故にあったときと同じくらいの身体のダメージを受けると言われています。そのなかでも、体型の変化や筋力低下によって膝の痛みが引き起こされます。
妊娠中に腹筋が伸び、出産時には骨盤底筋群が大きく引き伸ばされます。
これらの筋肉は、本来体を支えるために働くため、姿勢を正しく保つ機能が弱くします。
腹筋や骨盤底筋群が弱ると、妊娠中に前に傾いた骨盤を元に戻せなくなり、いわゆる「反り腰」の状態になります。

反り腰の状態で体を支えるために腰の筋肉に負担がかかり、結果的に太ももや股関節の付け根の筋肉が硬くなります。
反り腰やスウェイバック姿勢でバランスを取ろうとすると、無意識に膝を軽く曲げた状態になりがちです。
これにより、太ももの裏側や膝の裏側の筋肉に持続的な負担がかかり、膝の痛みにつながります。
また、反り腰になっていると膝が内側に入り、膝から下が外側にねじれてつま先が外に向き、扁平足になりやすくなります。
このことで、膝関節全体に過度な負担がかかり痛みにつながります。

産後の膝の痛みは、骨盤の歪みが大きく関係します。産後の身体はお腹の筋肉と骨盤の底の筋肉が筋力低下しているため、骨盤の歪みが起こりやすくなります。
授乳時や床に座っているときなどに行う横座りは、左右の骨盤・股関節・膝関節の姿勢が異なります。
特に、脚を外側に投げ出している側の関節に負担がかかりやすく、痛みを引き起こす原因となります。
また、割座(ぺたんこ座り)も股関節・膝関節に負担がかかりやすく、骨盤の開きも戻りにくくなります。

子どもを抱っこするとき、片手抱っこをして空いた手で作業する人は多いかと思います。
一定時間で左右入れ替えて片手抱っこしている人もいますが、多くの場合、抱っこのしやすさから利き手側で抱っこする人、あるいは家事などをするために利き手と反対側で抱っこする人に分かれ、片側で片手抱っこする時間が長い方がほとんどです。
実は、骨盤に子どものおしりを乗せて片手抱っこしていると骨盤が歪みやすく、左右の脚に均等に体重が乗らないため、片手抱っこしている側と反対側の膝関節に痛みがでやすくなります。

産後すぐに膝の痛みを感じた方には、妊娠前からすでに体の歪みや筋力バランスの崩れを抱えていたケースが多く見られます。
- 脚を組んでよく座っていた
- ずっと猫背姿勢
- 足首を捻挫した経験がある
- ぎっくり腰を経験したことがある など
このような方は、妊娠・出産によってお腹や骨盤底の筋肉がさらに弱くなったことで、それまでかばえていた体の負担がかばいきれなくなり、痛みとして現れる傾向があります。
結局、膝の痛みの根本原因は「膝以外」にある!?
ここまで説明してきたように、転んだり、交通事故に遭ったりといった直接的な外傷がない限り、膝の痛みの根本原因は体幹・股関節・足首などの筋力や柔軟性の問題にあることがほとんどです。
「いつもしている姿勢だから負担と感じたことがなかった」という方もいらっしゃいますが、脚を組んだり、横座りしたりといった姿勢は、実は坐骨神経痛やぎっくり腰、ぎっくり背中などの原因にもなり得ます。
日々のセルフケアで負担を溜め込まないようにすることができれば、痛みの軽減につながります。
産後、痛みが出てしまった膝を育児が忙しいからと、そのまま我慢することは絶対に避けてください。
まずは整形外科を受診し、レントゲンなどで膝の状態を確認してもらうのが良いでしょう。関節に炎症が起きていたり、水が溜まっていたり、関節軟骨のすり減りが見つかる場合もあります。
多くの場合、関節構造上の異変がなければ痛み止めや湿布が処方されます。設備によっては電気療法や理学療法士によるリハビリを受けられることもありますが、子育て支援センターでのママたちの話では、薬の処方で終わるケースが多いようです。
もし薬や湿布で痛みが軽減しない場合は、膝だけでなく股関節や足首への施術、体幹・股関節の筋力トレーニングが必要になるので専門家への相談がオススメです。
痛みを軽減するためには、産後に弱くなった腹横筋や骨盤底筋群を強くすること、そして膝に負担をかけている太もも周囲の筋肉をストレッチすることが有効です。
- 仰向けに寝て、両膝を立てる
- 足幅を肩幅以上に開き片側の足を伸ばしたい側の膝の外側にかける
- 伸ばしたい側の足を股関節から内側に捻るように倒す
- 写真のように肩・股関節・膝関節の位置が一直線に並ぶと良い

このストレッチを持続的に行うと気持ちよく伸びない感覚がある場合は、膝を立てたり倒したりを繰り返して股関節のねじる動きを引き出してあげましょう。YouTubeでも解説しています!
- 仰向けに寝て、片足の裏にバスタオルをひっかける
- バスタオルを引っ掛けた側の足を膝を曲げたまま天井へ向け持ち上げる
- バスタオルでサポートしながら膝を伸ばすように力を入れる
- バスタオルで無理やり足を持ち上げようとするのではなく、膝を伸ばす力を使って太ももの裏側が伸ばす

バスタオルストレッチをすることで、膝の裏側から太ももの裏側の柔軟性が改善されます。無理に頑張りすぎるとつま先・膝が内側に向いたままになりやすいため、つま先と膝の向きはまっすぐ肩に向けておきましょう。YouTube動画でも解説しています!
膝の痛みの原因は人それぞれです。ストレッチを試しても効果を感じられない場合は、専門家に相談しましょう!
整形外科でのリハビリは症状が悪化してからになることが多いですが、整体サロンHarmoniaには、リハビリテーション科の現場で活動していた理学療法士の資格を持つスタッフが在籍しています。
産後ママの姿勢や動作から膝にかかる負担を見つけ出し、施術・ストレッチ・自宅でもできる無理のないエクササイズを組み合わせることで、痛みの改善を目指します。
- あなたに合わせたセルフケアの方法をご提案
- ストレッチでは解決できない筋肉や筋膜の硬さに施術でアプローチ
- 弱っている筋肉を鍛えるためのトレーニング指導
など、一人ひとりの身体の状態に合わせたサポートが可能です。

産後の膝の痛みについて解説してきましたが、子育てに忙しいと、つい自分の体を後回しにしがちです。「若いから大丈夫!」という考えは通用しません。
膝の痛みは放っておくと、痛みをかばうように体の使い方が変わり、やがて他の筋肉でもかばいきれなくなり、筋力バランスが大きく崩れてしまいます。最悪の場合、一度なったら完治することのない変形性膝関節症に悩まされる可能性も秘めています。これは女性に多い病気であり、決して他人事ではありません。早い段階からの予防が非常に重要です。
一人で抱え込まずに、ぜひハルモニアにご相談ください。子育て支援センターでの身体のお悩み相談にも対応しているハルモニアは、産後の肩こり・腰痛などの定期的なケアもサポートしています。骨盤の歪みや姿勢の歪み、筋力バランスを整えて、産前の快適な体を取り戻すお手伝いをいたします!
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