走っていて膝の外側が痛い、日常生活でも歩いていたり階段の昇り降りで膝の外側が痛いという方に多い腸脛靭帯炎、別名ランナー膝。
膝の痛みは、安静にしていると改善されることも多いですが、治ったようにみえて痛みの部位に負担がかからないよう、姿勢や動きでかばっていることが多く、本来負担のかからない筋肉に過剰な負担がかかっていることがあります。
膝の外側の痛みを放置し続けると、変形性膝関節症といった問題にも関わってきますので、注意が必要です。今回は日常生活でも起こりうる、膝関節のオーバーユース(使いすぎ)障害のひとつであるランナー膝について解説していきたいと思います。
ランニングのように膝関節の屈伸を繰り返す動作を行うと、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆と摩擦し、炎症を起こす、オーバーユースシンドローム(使いすぎ症候群)です。
O脚や回外足(土踏まずが高くなり小指に体重が乗りやすい状態)など大腿骨と脛骨の位置関係が崩れると発症しやすいといわれています。
ランナーに症状が出やすいのでランナー膝と呼ばれていますが、ランナー以外でも症状は現れます。
- 過度なランニング
- O脚(内反膝)
- 体が硬い・急に運動を始める
腸脛靭帯炎は、長距離を走るランナーに多くみられます。『マラソンを始めたばかり』や『マラソンの練習量が増えた』、『普段よりも長い距離を走った』、『普段走らない山道や不整地を走った』など膝への負担が増えたときに起こりやすくなります。
張りを感じたときにしっかりと休んだりストレッチなどを行っていると症状が重たくなることはありません。しかし、十分な休息を取らず、張りを感じたまま練習などを続けることで筋肉の疲労回復が間に合わず、炎症が起きた場所に負担が蓄積されてより強い痛みに変わります。
腸脛靭帯炎の原因の一つに、O脚(内反膝)が挙げられます。太ももからすねまでで外側にくの字を描くように曲がり、膝関節の外側にストレスがかかります。ストレスが掛かった状態で膝の曲げ伸ばしを行うと、腸脛靭帯が大腿骨の外側の出っ張りにて摩擦が起こりやすくなり炎症を引き起こす原因となります。
体が硬い方は、炎症を起こす腸脛靭帯と腸脛靭帯に付着している大腿筋膜張筋・股関節外旋筋なども硬く伸びにくくなっていることが多いです。
膝の曲げ伸ばしの際に大腿骨の外側の隆起を腸脛靭帯がスムーズに乗り越えますが、体が硬いと腸脛靭帯が隆起にこすられるようになり摩擦が増えるために腸脛靭帯炎を引き起こしやすくなります。
中、長距離を走った後に膝関節の外側に痛みを訴えることが多いです。特に下り坂を走ると増強しやすくなります。痛みがある側の太ももを強く把持し、膝関節を屈伸させると膝関節外側に痛みが誘発されるテストで判断します。
急性期には局所の安静を保ち、アイシングや消炎鎮痛剤を投与します。原因の多くがオーバーユースであることから保存療法で軽快します。
慢性期は腸脛靭帯のストレッチ、温熱療法、足底板などを中心に保存療法を行いますが、腸脛靭帯部分切除、下肢の軸の異常を矯正する手術が適応されることがあります。
整体サロンハルモニアでは、腸脛靭帯炎の原因であるO脚方向への膝のストレスが発生してしまう原因を捉えて対応していきます。実は、ランナーだけではなく、ガニ股で歩いている方も起きやすい症状ですので普段の歩く姿勢などにも多く関係しています。
原因としていくつか挙げるとすると、
- 中殿筋・梨状筋というお尻の筋肉が硬い
- 内ももの筋力が弱い
- 足が甲高(土踏まずが高い)であり、足の裏の筋肉全体が硬い
などがあり、膝が外に広がるストレスが膝に加わる傾向にあります。このことは、実際に再現しながら捉えていくことになります。
ハルモニアでは、これらの症状に対し、
- お尻の筋肉である中殿筋・梨状筋のストレッチ
- 腸脛靭帯につながる大腿筋膜張筋のストレッチ
- 膝が開かないように制御するための内腿(股関節内転筋群)の筋力強化
- 足の裏の筋肉全体の硬さや疲労を取り除く施術やストレッチ、セルフケアの方法指導
と、膝が外側に流れてしまうことを抑えるストレッチ・体操・トレーニングにてアプローチしていきます。
今回は、腸脛靭帯・大腿筋膜張筋のストレッチと股関節外旋筋のストレッチをご紹介します。
これらのストレッチはベーシックなストレッチに過ぎません。これらをやっても膝の痛みが取れない方はたくさんいらっしゃいます。股関節外旋筋・大腿筋膜張筋のストレッチを行って痛みが改善しない場合は、自分の今の体の状況に適したストレッチではないので、ご相談ください。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)についてご紹介しました。腸脛靭帯炎は、走る距離を急に伸ばしたり、不整地を走ったり、O脚のままで歩いたり走ったりなどなんらかの原因が元になって起こることがほとんどです。
走る距離を増やしたいときには徐々に時間をかけて伸ばしていく、張りを感じたら休む、走り終わったらストレッチなどで身体のケアをするなど身体に負担をかけたままにしないようにすることが大切です。
セルフケアに関しては、腸脛靭帯に関わる大腿筋膜張筋や股関節外旋筋をストレッチする他、股関節内転筋の筋トレをする・走るフォームを見直すなどの方法があります。個人個人で身長や体重、筋肉量などが異なるため必要なセルフケアが異なります。
整体サロンHarmoniaには、整形外科クリニックにて大学生駅伝ランナーからシニアランナーの膝の痛みや足首の痛みに対応してきたスタッフが在籍しております。個人個人に合った施術・ストレッチ・エクササイズを提供しますのでぜひご相談ください。
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参考書籍
- 整形外科学・外傷学 文光堂
- 標準整形外科学 医学書院
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