暑い日が増えてきている埼玉県熊谷市石原にあるコンディショニングサロンHarmonia(ハルモニア)です。
みなさんは、
アスリート
と言う言葉聞いたことがある人は多いかと思います。
スポーツ界においてよく使われる言葉ですよね。
このアスリートという言葉、スポーツ業界だけでなく、音楽業界にも言えることかと思います。
目標の大会に照準を合わせ、優勝と自分自身の記録に勝つために最高のパフォーマンスが発揮できるよう、日々練習やトレーニングを重ねていきます。
これは、音楽家にとっても同じことが言えます。
コンクールやコンサート、定期演奏会などが開催される日程に合わせて練習を重ね、一発本番に最高のパフォーマンスで演奏できるようにするわけです。
「音階を作り上げるための細かい指の動き」「音の強弱を作る力の入れ方」「ロングブレスや音程の強弱を作る呼吸方法」などにて表現豊かに音を作り上げる、細かい調節が必要になるかと思います。
これは、プロとして活動している音楽家だけでなく、市民吹奏楽団に所属している方はもちろん、中学校・高校の吹奏楽部や軽音楽部の活動に至るまで様々な方がに当てはまります。
アスリートは、日頃から身体のケアに取り組んでいる方も多く、コンディションを整えるために、マッサージやストレッチ、基礎固めのトレーニングなどの指導をアスレチックトレーナーや理学療法士にしてもらったりする方もいらっしゃいます。状態に応じて鍼灸などもされる方がおられるかと思います。
Harmoniaスタッフが所持している理学療法士も分野としてスポーツ理学療法という分野が存在します。
しかし、音楽家はどうでしょうか?音楽家専属のトレーナーや音楽家専属の理学療法士は存在しません。音楽家専門の整体を謳っているお店があるくらいでしょうか。医学的に見ても、スポーツドクターほど音楽家専門の診察を行える医者自体も少なく、整形外科に受診しても世間一般の方々と同じ対応になってしまい、音楽家の特徴に沿った治療をされるわけではありません。
理学療法士が在籍するHarmoniaとしては、医療的知識を持ち、スポーツトレーナーと同様にコンディショニングできる人材が音楽家業界にも必要であると考えています。
ではスポーツマンと音楽家において何が異なるのでしょうか。
1.環境
スポーツマンは、自分のパフォーマンスが落ちないようにするために、競技に特化した身体の使い方を解剖学・運動学的に勉強し、トレーニングの方法から栄養の摂取方法まで協会や専属のトレーナーによって学ぶ環境が整っています。
しかし、音楽家の場合は、解剖学・運動学などに精通している人につながることが少なく、音楽を指導してくれた先生に師事し、自分の音楽を表現していくかと思います。そのため、どのような身体の使い方をしたら関節に負担がかかるのか、どの姿勢で演奏したら限りなく楽に力の強弱が行えて、音楽の表現力が良くなるのかを習う機会が限りなく少ないのです。
2.知識
環境で述べたように、スポーツアスリートに関しては、身体の事に関する知識を学ぶ場があるとお伝えしました。同時に、解剖学・運動学的な知識もトレーニングに必要であるため世間一般の人たちよりもより詳しく知っています。
ですが、音楽家はどうでしょうか。肩や肘、手首の不調が疲労から来ているだけで終わりにしている方も多いのではないかと思います。関節の使い方によって負担のかかり方が大きく変わるとは考えことは少なく、演奏機会が取れなくなるくらいの痛みや張りなどが起きて初めて考えるレベルではないでしょうか。身体の使い方に関して、解剖学・運動学的に学んでいる人はどれだけいるのでしょうか。音大にて教鞭を振るっている理学療法士を2名ほど知っていますが、その方々に指導されていない限りは体の構造に関して詳しく学ぶ機会は限りなく少ないのではないでしょうか。
プロでバンドやオーケストラに参加している方はもちろん、市民吹奏楽団で演奏されている方、音楽教室に通って楽器演奏や声楽を習っておられる方全員に共通することですが、不調を抱えたまま演奏することは、楽器操作の上達、演奏の上達には繋がりにくくなります。上手く引けなくなったと感じるのはこのためではないかと思います。
ヨーロッパは、芸術文化であり音楽家にとても手厚い環境が整っています。以前参加した日本音楽家医学研究会という医師が主催した会にて、イギリスではオーケストラ専属の医療チームが必ず存在し、不調を感じたら受信できる環境があるとのお話でした。そのチームには、医師の他に理学療法士・鍼灸師がおり、症状に合わせて介入するとのことでした。
しかしながら、日本は前述したようにこのような環境はまだまだありません。
医師が活動していたとしても、理学療法士がタッグを組んで活動しているところはまだまだ少ないのです。
理学療法士として、音楽家の方に知ってほしいこと。それは、
身体の不調がエラーに繋がり、エラーが故障を生む
ということです。
「指先がこわばってうまく動かない」
「指が曲がったまま伸びない」
という症状は、できないからと言って、指先や腕の疲労、肩の張りなどの不調がある中で、がむしゃらに練習を繰り返した悪い結果です。
悪い結果が習慣化してしまえば、症状は出やすくなりますし、演奏へのパフォーマンスに大きく繋がります。
最悪、音楽人生を棒に振るうことだってありえます。
Twitterなどではフォーカルジストニア(局在性ジストニア)という、意図しないときに勝手に力が入ってしまう病気によって楽器演奏を断念したり、演奏方法を変更せざるを得なかったり、手術をして少しの望みにかけておられる方がいらっしゃいます。
Twitterでさっと見かけた限りでは、年齢も20代〜60代と幅が広いようです。
私は、フルート奏者の妻に出会うまで、演奏会には行ったこともありませんでした。LIVEに参加したことはありましたが、コンサートには行ったこともありませんでした。
ですが、妻とコンサートを聴きに行ったとき、素敵な音色に心揺さぶられたことを今でも思い出します。
正直、音楽をどっぷり経験しているわけではありませんので、演奏の上手・下手を指摘するつもりはありません。ですが、
「素敵な音楽を奏でる皆さんに、できる限り長い間音楽を楽しんでいただきたい」
という気持ちは人一倍あると思っています。
理学療法士は、姿勢と動作の専門家でもあります。
演奏姿勢を見させていただければ、どこに負担がかかりやすいか概ね予測することが可能です。
予測した上で、詳しい身体評価を行うことで問題解決につなげるのが得意なのです。
この知識・技術を素敵な音楽を奏でる音楽家のみなさんに提供して、「自分の納得の行くパフォーマンスで音楽を続けていただきたい」そう思っています。
Harmoniaとしての気持ちをまとめました。音楽家の方が長い間音楽に携わり、楽しみ、素敵な演奏を皆さんに届けてくれることを縁の下の力持ちとしてサポートしていきたいと思っています。
演奏中に感じる不調がありましたら、Harmoniaにご相談ください。
[…] 以前投稿したブログ記事「音楽家もアスリート!」にて、全身運動としての動きは少ないものの、指や腕への負担は大きく、日々のケアが必要であることをご紹介しました。 […]