季節の変わり目や激しい運動後などに喘息で「ヒューヒュー」「ゴホゴホ」と辛い呼吸苦や咳にお悩みの方、いらっしゃるのではないでしょうか。
喘息は、空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい慢性的な炎症が起こってしまう病気であり、症状を抑えるために吸入薬を常に携帯している方も少なくありません。気圧の変化や気温の変化に伴い自律神経のバランスが崩れることで症状が現れてしまう方もいます。
喘息に伴って咳を繰り返していると呼吸苦に見舞われ、喘息の症状が落ち着いてからも息の吸いづらさを経験される方が多いかと思います。現に、ハルモニアにて身体のメンテナンスされる方に、喘息の咳込み症状が落ち着いても呼吸苦が続くと相談されることがあります。
実は、喘息の症状が落ち着いた後に呼吸苦が続いてしまうのには、原因あります!吸入薬を使っても楽にならない呼吸苦がどうして残存するのか今回は解説していきます。
喘息後に呼吸苦が続いてしまう原因は、喘息時に出ていた咳が大きく関連しています。長い時間咳が続くことで、どうして呼吸苦につながるのか。咳を続けると起こる身体の変化は、
- 咳が続くことで息を強制的に吐く筋肉(呼気筋)がオーバーワークを起こして硬くなる
- 息を吐く筋肉が硬くなることで、息を吸うときに胸郭(肺を包む肋骨部分)が広がりにくくなる
- 胸郭が広がらない状態で息を吸うと、横隔膜や息を努力的に吸うために使う筋肉(努力吸気筋)が過剰に働く
- 横隔膜・努力吸気筋がオーバーワークをお越し、硬くなり息を吐くことも難しくなる
となり、呼吸に関わる筋肉が硬くなることでもの呼吸苦が現れます。
喘息=気管支の炎症だけと思われがちですが、炎症に合わせて呼吸に関わる筋肉の状態にも目を向けてあげることで呼吸苦を軽減させることができます。
吸気筋・呼気筋にはそれぞれ
- 吸気筋:横隔膜・外肋間筋・傍胸骨内肋間筋・斜角筋群・胸鎖乳突筋
- 呼気筋:腹直筋・腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・内肋間筋
という筋肉があります。
喘息後は特に、息を努力的に吸う筋肉では首の筋肉や横隔膜が、努力的に吐く筋肉では、肋骨・腹の筋肉が硬くなる傾向にあり、気管支の炎症が落ち着いても筋肉が元通りに伸び縮みしなくなるため呼吸苦が残ってしまいます。
では、喘息後の呼吸苦を解消するためにはどういった方法があるのでしょうか。
息を努力的に吸うために使う筋肉である首の筋肉をストレッチすると首の張りが緩みます。他のストレッチと合わせて行うと効果的です。
YouTubeに掲載しているストレッチをご紹介します。
炎症を起こして硬くなった気管支を広げる押し広げて呼吸しやすくする方法もあります。
口をすぼめて息を吐くことで、口に遮られた空気が気管支を押し広げる圧力を生むため、繰り返し行うと息が吸いやすくなります。鼻から息を吸って、空気を肺(胸)に空気を口をすぼめながら息を吐くことを意識して呼吸をしてもらうといいでしょう。
喘息中に、息が吸いづらくなったときにもおすすめな方法です。
横隔膜は、息を吸うときには収縮し、吐くときには弛緩する呼吸にとって重要な筋肉であるため常に柔軟である必要があります。セルフケアでほぐす方法を解説すると
- みぞおちから肋骨の一番下の縁に両指先を当てる
- 息を吐きながら、背中を丸めながら指先を肋骨の裏側に差し込むように押し入れる
- 背筋を伸ばしながら息を吸い、指の差し込みを緩める
- この動作を10回繰り返す
行った後に深呼吸をした際に息が吸いやすく、吐きやすくなれば横隔膜が緩んだ証拠です。このストレッチがうまく行かない場合は、次に紹介するストレッチを行ってから試してみましょう!
腹筋群は、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋とありますが、特に腹直筋・外腹斜筋が咳が続くと硬くなる傾向にあります。これらの筋肉が柔軟であることによって腹式呼吸だけでなく、胸式呼吸もスムーズに行いやすくなります。
- うつ伏せになる
- 肩の下に肘が来るように手を移動させ、上体を反らす(パピーポジション)
- 深呼吸を5回してうつ伏せに戻る
- この動作を5回繰り返す
徐々にみぞおちのあたりからへその方にかけて気持ちよく伸びる感じがあれば良いストレッチとなっています。
ただし、上体をそらすと腰痛が先に起こる方に関しては、背筋群の筋力が腹筋群よりも弱いためうまくお腹側が伸びなくなっているため背筋運動を行ってから上体そらしのストレッチをすると効果的です!
YouTubeに投稿した動画をみながらやってみてください。
肋間筋は、外肋間筋・内肋間筋とあり呼気には内肋間筋・吸気には外肋間筋が収縮するため、努力的な呼吸が続くと硬くなる傾向にあります。柔らかくしておくことで胸式呼吸が行いやすくなり、肺が広がりやすくなり気管支の炎症が落ち着いた後に呼吸が回復しやすくなります。
- 横向きに寝て、股関節・膝関節をそれぞれ45度程度に曲げる
- 上になっている腕とともに上半身を開く
- この動作を10回繰り返す
肋間筋は薄い筋肉であり、筋肉の収縮方向が縦に直線的ではなく、斜めに位置しているため身体をねじる動きをしながらストレッチをかけるのが効果的です。
YouTubeに掲載したストレッチをご紹介します。
今回は、喘息後に呼吸苦が続く原因について解説しました。喘息に伴う咳で呼吸に関わる筋肉が硬くなったまま伸び縮みしなくなってしまうことで呼吸苦が続いてしまいます。喘息の方は、症状が酷いときは処方された吸入薬などを使用した方が良いですが、筋肉からくる呼吸苦は日々の呼吸に関わる筋肉のケアが大切です。ご紹介したストレッチをまず行ってみましょう!
セルフケアでも改善しない呼吸筋の硬さは、Harmoniaにご相談ください。硬くなる筋肉や必要なストレッチは、その人の姿勢や生活習慣によって異なりますので、身体の使い方に合わせて呼吸に関わる胸郭や筋肉の動きを引き出すアプローチを行います。
喘息だから何をしてもダメだと諦めないで、炎症症状が引いたのにちょっとしたことでむせるといった場合は、筋肉の問題も考えられますのでご相談ください。
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