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ランニング中の【膝の痛み】はなぜ起こる!?

ジョギングしている男性

 埼玉県熊谷市石原にあるコンディショニングサロンHarmonia(ハルモニア)の四分一です。

コロナ禍で太った方が多くいらっしゃるようで、ダイエット目的で走られている方も増えているようですね!

元々趣味で市民マラソン大会などに出場するくらい走ることが好きな方も多くいらっしゃるかと思います。

『膝に痛みを抱えながら走り続けている』
『ある程度の距離になると膝の痛みが強くなる』

経験がある方、多いのではないかと思います。

今回は、マラソン時に起こる膝の痛みに関してお話していきたいと思います。

走るときのからだのメカニズム

人は、走る時、足の裏から床反力という力がかかり、その床反力を上半身・股関節・膝関節・足関節を軸にバランス良く筋肉を活用して推進力へと変えています。

歩く際は、両脚支持期といって前後に開いた右脚・左脚が同時に床についているタイミングがありますが、走る際には同時期に両脚がつくタイミングはありません。
そのため、片足にかかる体重負担や床反力といった力が足底・足関節・膝関節・股関節にのしかかります。
さらに、この反力を背骨(脊柱)のS字カーブにて衝撃吸収を行っています。

ランニングにて着地時に床からうける衝撃を吸収する体の構造
衝撃吸収する身体の構造体

これらの負担を腹筋(腹横筋・腹斜筋群・腹直筋)、背筋(脊柱起立筋群)、お尻の筋肉(大殿筋)、太ももの筋肉(大腿四頭筋)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)でしっかりと負担を分散させ、支えられれば問題なく走れます。

しかし、これらの筋肉が機能的に働かないと部分的な負担が増え、局所的な負担がかかった筋肉がオーバーワークとなり炎症を起こしたり、慢性的になると筋肉の柔軟性低下や循環不全による筋肉の酸欠状態を引き起こします。
また、それらの負担が改善されないと靭帯損傷や関節包の炎症など筋肉以外の関節を構成している組織にまで負担を及ぼします。

膝に関して言えば、『お皿の骨の下の部分』『膝の内側』『膝の裏側』『膝の中のほうが痛い』といった問題を感じているときには、すでに筋肉のバランス悪化がみられ、関節を構成している組織に負担がかかっている状態です。

どういった時に痛みが起こりやすい?

では、からだの使い方としてどういった場合に膝の痛みが起きやすいのかいくつか挙げていきましょう。

1.上半身の柔軟性がない場合

上半身の柔軟性が低下している場合、脊柱のS字カーブにて衝撃吸収を行えている分の床反力が吸収しきれず、股関節・膝関節・足関節に負担となって現れます。猫背・頭を突き出した姿勢(猫背型)・胸を張りすぎた姿勢(のけ反り型)になっている方はこの傾向が強いです。
腕の振りの小ささであったり、ストライドが思いの外伸びないといった現象も上半身の柔軟性低下から起きやすくなります。

猫背のランニング姿勢
猫背型
腰痛が起きやすい反り腰でのランニング姿勢
のけ反り型

では、膝への負担はどうなるか…

上半身の柔軟性が低下している方は、お尻の筋肉(大殿筋)がうまく使えていないことが多く、推進力を膝を持ち上げて得ようとする人が多い傾向にあります。

その分、猫背の状態だと股関節を安定させる腸腰筋という筋肉の作用が小さくなり、太ももを持ち上げるのに大腿直筋という筋肉を多用することになり、太もも前側が張りやすくなります。

また、太ももの前面(大腿四頭筋)で接地時の衝撃吸収を補い、地面を蹴って推進力を得る際に太もも裏(ハムストリングス)を使用するため、膝のお皿の下の部分にかかる負担の増加がみられるようになります。

膝関節の軟部組織構造について
膝関節の図

上半身の柔軟性低下している方は、日常生活でも猫背であったり不良姿勢をとった状態で仕事をする機会が多い方もいらっしゃるため、日頃から注意が必要になります。
本を読む姿勢やテレビを見る姿勢、スマホを見る姿勢などを注意する必要があります。

また、膝だけに限らず、走っていて肩が張る人も同様に上半身の柔軟性には注意が必要です。

2.上下動を意識しすぎて膝を曲げすぎて接地している場合

マラソン大会に出場されている方や長年走っておられる方は、上下動を意識されることも多いかと思います。上下動を意識するあまり、腰を落とした状態(腰落ち型)で走られる方が多く見られます。

これは、膝での衝撃吸収を意識しすぎるあまり、床反力を推進力へ転換できず、下肢への負担を増やすことに繋がります。

この姿勢での走り込みが増えると、接地時に膝関節の角度が深くなりやすく、太もも前面の筋(大腿四頭筋)への負担が増加するため張りを強く感じます。
この負担が続くとお皿の下の部分(膝蓋靭帯)に痛みが生じます。

また、膝関節に剪断力が生じ大腿骨が脛骨上を前方へ滑る負荷がかかるため、それを制御するために働く膝裏にある筋肉(膝窩筋)に負担がかかり膝裏の痛みの原因となります。

ランニング中に膝が曲がったまま着地したときに膝にかかる剪断力
着地時に膝を曲げた状態で剪断力を受ける大腿二頭筋
大腿後面〜膝の筋

また、この状態から推進力を得る際に、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)や膝から下にあるふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)、足の指を動かす筋肉(長母趾屈筋・長趾屈筋)、足の裏の筋肉(短趾屈筋・母趾内転筋・短小趾屈筋)を中心に使用しやすく、距離が伸びるにつれ『膝の後ろ』や『ふくらはぎ』の張りや足の裏の避けそうな痛みなどが出やすくなります。

ランニングにて地面を蹴る動作に活動する筋肉

3.膝が内側に入りやすい場合

元々、膝関節は若干内側くの字に骨構造上位置していますが、それよりもより膝関節が内側に位置した状態(knee in:ニーイン)で接地すると膝関節に抜ける床反力が膝の内側に集中してしまい、結果として膝の内側の痛みや太もも裏外側の痛みにつながっていきます。

日常生活で元々内股になりやすかったり、内ももの筋肉(大内転筋・長内転筋・薄筋)が硬い、片足でバランスを取る際に必要なお尻の横の筋肉(中殿筋)が弱い場合に、大腿骨が内側に捻れ、脛骨が外側に捻れるニーインしやすい状態となります。

内側側副靱帯損傷や腸脛靭帯炎、外側半月板損傷といった症状は、これらの負担がかかった結果として現れる症状です。

膝が内側に入った状態での着地時に起こる体の負担

また太もも裏外側の筋肉(大腿二頭筋)にも負担がかかり痛みが出やすくなります。(✕印部分)

大腿から膝にかけての図

膝のサポーターやテーピングでサポートして走る方も多くおられると思いますが、長期間ランニングやマラソンを楽しみたい方は、サポーターやテーピングにも限界がありますので、それらに頼るだけでなく、からだの使い方根本から変えていったほうが良いでしょう。

4.膝が外側に開きやすい場合

膝が外側に開いてしまういわゆる『がに股走り』になってしまう方は、床反力が膝の外側へ抜けていくため、膝下内側の部分に痛みが出たりしやすくなります。

これは、骨盤の位置関係や猫背の姿勢も関連性が有り、普段の姿勢で腰を丸めて座っていたり、長時間デスクワークをしていて不良姿勢になっている人の場合、大殿筋の筋力が低下し、お尻の筋肉が固くなることで、深層外旋六筋と呼ばれる股関節を外にねじる(外旋)する筋肉が走る際に必要以上に活動してしまう場合があります。また、内腿の筋肉(長内転筋・大内転筋)の筋力が弱いことでも膝が外へ逃げてしまい、結果としてがに股(knee out:ニーアウト)した状態になります。

着地時に膝が外側に向いた状態にてかかる身体への負担

このような場合も、サポーターやテーピングでその場しのぎはできるかもしれませんが、長期間マラソンやランニングを楽しみたいのであれば、早めに柔軟性が低下している筋肉のストレッチや筋力低下を起こしている筋肉の強化をしていくほうが良いと思います。

5.ふくらはぎ・足底が硬い場合

2の部分で疲労が起こりやすくなる筋肉として挙げた、『ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)』や『足底に関わる筋肉(長趾屈筋・長母趾屈筋・短趾屈筋・母趾内転筋・短小趾屈筋等)』が固くなることでも膝を曲げたままの走行となりやすく、腰落ち型の影響が考えられます。

接地時に膝が伸びにくいことで膝関節に剪断力が生じ、膝蓋靭帯への負担増加はもちろん、制動するために働く膝窩筋の負担増加が考えられます。

無理をしたまま走ると変形性膝関節症になることも…

膝の痛みや違和感を抱えたまま走り続けることで、取り返しのつかないことが起こる場合もあります。

変形性膝関節症という言葉を聞いたことありますか?

グ◯コ◯ミンやコ◯ド◯イチンといったCMで『軟骨のすり減り』などといった言葉を1度でも聞いたことあるかもという人は多いはず。

その名の通り、関節が変形してしまう疾患のことです。
変形性膝関節症は、関節軟骨の変性と摩耗が主体ですが、外傷や感染などの既往がない一次性のものが大部分(90%)を締めます。
一次性の病因を挙げると

  • O脚やX脚などの変形
  • 肥満
  • 筋力低下
  • 膝関節に加わる外力の増加
    (例えば、サッカー選手などのストップアンドゴーや切り返し等の負担)

など、力学的影響が強いことがほとんどです。

ランニングやマラソンは、『膝関節に加わる外力の増加』というところにあてはまります。

『急に走れなくなった』『安静にしていても痛みが引かない』そのような場合は、変形性膝関節症になっていることも少なくありません。

注射で炎症症状を抑えたところで、からだの使い方を変えなければ変形は進行し、最悪手術、走ることができないというところまでになるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
ランニング・マラソン時の膝の痛みがなんで起こるのかについて解説しました。

走るときのからだの使い方はもちろん、日常生活での姿勢においても走るときの負担として現れてしまうことが理解していただけたのではないかと思います。

私は、病院やクリニック勤務時代にマラソンが趣味で続けていて膝の痛みが酷いからレントゲンを撮影したら変形性膝関節症だったという方をたくさんみてきました。

早め早めに膝の不調に気づき、そのままにせず、からだのことを相談できる専門家に確認してもらうべきかと思います。
マラソン人生を自分から縮めないようにしてほしいと願っております。

私は過去に、膝関節痛で5km以上走れなかったシニアランナーの施術を担当し、ハーフマラソンを2度完走できるところまでサポートさせていただいたり、太もも痛でさいたま国際マラソンの一般の部を1度出場断念された方の施術を対応し、翌年無事完走されるところまでサポートさせていただいたこともございます。

慢性的な問題として筋肉の硬さやからだの使い方のコツがわからない場合は、ぜひ当店をご利用ください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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