在宅ワークやデスクワーク、日頃の移動が車移動で身体を動かす機会が少なく『太ってきたな』『階段上り下りが大変になったな』『体力の衰えを感じる』などを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
久しぶりの運動で筋肉痛が出るのは筋肉にいい刺激が入っている証拠ですが、腰や膝が痛くなって1週間程度痛みが取れないという方は、身体の使い方が悪く負担がかかっています。
腰や膝の痛みが続く状態で運動を続けると、ぎっくり腰や腸脛靭帯炎、鵞足炎、ふとももうらやふくらはぎの肉離れ、アキレス腱断裂といった怪我に繋がります。
今回は、運動不足がもたらす身体の不調と怪我をせずに運動不足解消するためにはどういった運動を選んで行うといいか解説します。
デスクワークや車の移動、流行病による外出自粛などで感じる運動不足。人は動かなくなることで、いろいろな身体の不調を引き起こします。動かないことで起こる身体の不調について書かれている文献には
不動・廃用により引き起こされる病態は,筋力低下,関節拘縮,骨粗鬆症,尿路結石,起立性低血圧,心拍数増加,褥瘡,求心神経過敏,持久力低下,肺うっ血,腸管蠕動亢進,認知力低下など多岐に渡る.
園田 茂.不動・廃用症候群.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine,2015年,52巻,4-5号,p. 265-271
と書かれています。普段からデスクワークで座っている時間が長い方、運動習慣が少なく体力の衰えを感じる方、高齢者の方で家でやることがないから寝ているという方に起きやすい症状です。
からだを動かすにあたり、脳から神経を通して筋肉に指令が送られますが、指令の伝達が十分に行われなかったり、筋肉そのものの動きが悪くなったり、筋肉自体の筋持久力が低下して疲労しやすくなることで体力の衰えを感じます。
必然的に代謝も落ちるため、糖代謝や脂肪代謝の量が減ることで太りやすくなります。
運動不足や体力の衰え、ダイエットしなきゃと感じていきなりジョギングやバスケットボールやサッカーなどの動きの激しいスポーツをする人がいますが、『終わったら背中や腰が重い』『だんだん膝が痛くなってきた』『ふくらはぎの張りが取れない』など張りや痛みを感じ、筋肉痛だと思っていたら1週間以上も同じ痛みや違和感が続くなんてこともあります。
1週間以上痛みが引かない場合は、無理な運動をして筋肉や関節に炎症を起こしてしまい、運動強度が高すぎたのが原因です。
痛みが出やすい人は何を目安にしたらいいのか、それには運動強度を表すものとしてMETs(メッツ)という指標があります。厚生労働省のe-ヘルスネットには、
運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。
メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。
安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・洗車する・子供と遊ぶ(中強度)などは3~3.5メッツ程度、やや速歩・ゴルフ(ラウンド)・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4~4.3メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7.3メッツ、ランニング・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなどは8~8.3メッツといったように、様々な活動の強度がすでに明らかになっています。
厚生労働省 e-ヘルスネット
と記載され、e-ヘルスネットのページにて紹介されている国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部のホームページに「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」として掲載されています。
一般的なものを例に上げてみると
運動 | 運動強度 |
---|---|
歩行 | 3.5METs |
ジョギング | 7.0METs |
縄跳び | 12.3METs |
となります。ジョギングは歩行の約2倍、縄跳びは約4倍になります。運動不足でいきなりジョギングや縄跳びをすることは、筋肉や関節に急激に負担をかける負ことが予想できますよね。膝を痛めたり、足の裏が痛くなったりと怪我が起きやすくなることも想像できるかと思います。
運動会の親子競争でアキレス腱断裂をする人がいるというのが典型的な例です。怪我したら、余計動けなくなるので注意したいところです。
では、どんな運動から始めたらいいかといいますと…
まずは、屋外に出なくてもお家できる、『ストレッチ』や『自重トレーニング』、習ったことある方なら『ヨガ』や『ピラティス』を行うのも良いでしょう。
先程提示した、身体活動のメッツ表ではこれらの体操は歩行の3.5METsに近い運動になり、無理なく始めることができます!
ストレッチや腕立て伏せ・腹筋運動などの自重トレーニングで物足らなくなってきたら、より運動強度の高いジョギングやサイクリングといったしっかり汗をかく運動に切り替えていくと怪我のリスク少なく運動が続けられます。
体が硬い状態でも運動によって掛かる負担は変わってきます。
今太ってしまっても焦ることはありません。増えた間食は減らしたほうがいいのは事実ですが、いきなり糖質制限を始めても、運動を全くしていない状態では悪影響しかありません。
今回は、運動不足で起こる身体の問題と、運動不足を解消するために行う運動を選ぶ目安となる運動強度の指標を紹介しました。ゆっくりとできる簡単な運動から少しずつ運動量を増やしたり負荷を増やしたりして以前の体型を取り戻していきましょう。
肉離れや捻挫などは十分お気をつけください。
急に運動をはじめて筋肉や関節の痛みでお悩みの方は、自分にどんな運動が適しているのか整体サロンHarmoniaにご相談ください。お客様に必要なストレッチやどんなトレーニングを行ったほうが関節負担なく筋力をつけることができるのかを姿勢や動作に基づいてご提案しています。
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