指を使う機会の多い職業の方がなりやすいばね指。道具を握って仕事をする方、重たいものを持つ機会が多い方、ピアノや弦楽器など楽器奏者の方にみられる疾患です。
楽器演奏したら指が疲れるけど休めば治るだろうとそのままにして、気がついたときには指がカクカクひっかかり、うまく動かなくなる問題に直面します。
今回は、ばね指について原因と対処法について解説します。
ばね指は、手のひら側のMP関節にある腱鞘に繰り返される機械的な負荷により線維軟骨化が生じ、対応する屈筋腱(指を曲げる筋肉の腱)の肥厚とあいまって指を曲げ伸ばしする動作の際に痛みを伴う弾発現象を引き起こすものです。
時に指が曲がったままロックされ、自分自身の力で指を伸ばすことができなくなり、反対の手で指を伸ばすといったことが必要となり、戻す際には強い痛みを伴うことが多くあります。
時間の経過した症例では、PIP関節の二次的な屈曲拘縮がみられます。中高年の女性に多く、男性の2〜6倍の頻度と言われています。
まずは整形外科で症状をみてもらいましょう。保存的治療として炎症が強い場合、疼痛部位の安静と副腎皮質ステロイドの腱鞘内注射が行われます。数回注射を行っても改善しない場合は、手術的に腱鞘の切開術が行われる場合もあります。
整形外科を受診してばね指と診断されても、注射だけでは炎症は落ち着いても線維化した組織や肥厚した腱に対しては何もできていません。
これらの組織に対してほぐすような施術や超音波療法などの物理療法を行うことで組織の柔軟性を引き出したり肥厚した腱を平坦化させていきます。
整形外科でリハビリが受けられればいいですが、リハビリがない場合は施術を受けられる専門家に相談してみましょう。
ばね指の症状を持続させないためには、指の動きに関わる筋肉を緩めておくことが大事です。
指を曲げる筋肉だけでなく、指を伸ばす筋肉が硬くなることでも指を曲げる筋肉が力んで硬くなり、ばね指につながることもあります。簡単にできるストレッチをご紹介します。
手のひらを天井へ向け、前へ伸ばし、手首を床へ返すように手のひら側を伸ばします。オレンジ色の部分が伸びて痛気持ちいい状態で20秒を2〜3セット行いましょう。
手のひらを床へ向け、腕を前に伸ばし、手首を床へ返すように手の甲側を伸ばします。オレンジ色の部分が伸びて痛気持ちいい状態で20秒を2〜3セット行いましょう。
それぞれのストレッチを行うことで症状が軽くなる場合は、それらを継続していただくと比較的症状の悪化を予防できます。
ストレッチすると痛くて続かない・手の甲側が痛くて手のひらが伸ばせない・手首を返すと痺れるといった症状がある場合は手のひらの腱鞘だけの問題ではなく、手首の柔軟性や前腕(肘から手首までの腕の部分)の使い方に問題があるため無理に続けないようにしましょう。
ばね指(弾発指)について解説しました。指先の作業が多い仕事にてなりやすい職業になります。
また痛みを伴う場合は、整形外科医から安静を言われることが多いですが、早めから腱鞘に掛かる負担を減らすことが大事です。
注射や痛み止めだけでは、痛みは良くなってもカクカクしたり指が曲がったまま元に戻りにくい症状は改善されにくいので、ストレッチなどセルフケアを行ってみましょう。
症状が変わらなかったり悪化する場合はリハビリが受けられるといいでしょう。
整体サロンHarmoniaでは、ばね指への施術を行っています。楽器演奏中に起こるばね指症状は、指の筋肉だけでなく前弯や上腕の筋肉の張りも関係しています。
演奏姿勢に基づいて負担がかかている部分を見つけ出し、より長く演奏を楽しんでいただけるようにアプローチしていきます。
ご自宅でも続けられるセルフケアの方法をお伝えします。我慢し続けて指先のしびれや指が伸びなくなって元に戻らないなどの重症になる前にぜひご相談ください。