「最近、うちの子がよく膝を痛がる…」 「転んだりぶつけたりしたわけじゃないのに、歩き方がおかしい」 「スポーツをすると膝のお皿の下が痛むみたいで、練習を休みがち…」
小学生から中学生くらいのお子さんを持つ親御さんから、このようなお悩みをよく伺います。病院に行ったら「成長痛ですね。成長すれば治まりますよ」と言われ、湿布や痛み止めだけで様子を見ているケースも少なくありません。
しかし、その膝の痛み、本当に「成長痛」だけが原因でしょうか?
実は、お子さんの膝の痛みには、身体の使い方や筋肉のバランスが関係している「オスグット・シュラッター病(オスグット病)」などの過労性骨障害が隠れていることも多いのです。痛みで大好きなスポーツや部活動を思い切り楽しめないのは、お子さんにとっても親御さんにとっても辛いですよね。
この記事では、「成長痛」と呼ばれる痛みの本当の原因と、適切な対処法、そしてオスグット病などのスポーツ障害を予防・改善するためのポイントを、リハビリの専門家である理学療法士の視点から詳しく解説します。
「成長痛」という言葉はよく耳にしますが、実は正式な病名ではありません。成長期のお子さんに見られる足の痛みの総称として使われることが多い、いわば「あだ名」のようなものです。
では、その痛みの正体は何なのでしょうか? 多くの場合、「成長痛」と診断される痛みの背景には、スポーツの練習などによる使いすぎ(オーバーユース)が原因で起こる過労性骨障害や疲労骨折が隠れていると考えられています。
成長期のお子さんの骨には、骨が伸びるための「骨端線(こつたんせん)」という軟骨部分があります。この骨端線は、大人にはない子供特有の場所で、構造的に少し弱い部分です。
そして、この骨端線の近くには、膝を動かすための太ももの筋肉などが付着しています。スポーツなどで筋肉を過度に使ったり、筋肉が硬い状態が続いたりすると、筋肉が付着している弱い骨端線部分に、引っ張る力や圧迫する力などのメカニカルストレスがかかり続けてしまいます。その結果、骨端線に炎症が起きたり、ひどい場合には剥がれてしまったりする(=過労性骨障害・疲労骨折)ことで、痛みが発生するのです。
「オスグット」という言葉を、ご自身やお友達の経験として聞いたことがある方もいるかもしれません。
正式にはオスグット・シュラッター病といい、まさにこの過労性骨障害の代表的なものです。膝のお皿の下の骨(脛骨粗面)がポコッと出てきて、押すと痛い、運動すると痛い、というのが特徴です。
他にも、膝周りの過労性骨障害には以下のようなものがあります。
- シンディング・ラーセン・ヨハンソン病
膝のお皿のすぐ下(膝蓋骨下端)の痛み - 有痛性分裂膝蓋骨
膝のお皿(膝蓋骨)が生まれつき分離していて、そこに負担がかかり痛みが出る
これらの痛みも、オスグット病と同様に、膝周りへの継続的なメカニカルストレスが主な原因と考えられています。
メカニカルストレスとは、簡単に言うと骨や筋肉、関節などにかかる物理的な力(負荷)のことです。具体的には、「伸ばされる」「押される」「ねじられる」「横にずれる」「曲げられる」といった力のことです。
私たちの身体は、日常生活の中で常に様々なメカニカルストレスを受けていますが、通常はうまくバランスが取れているため、特定の場所に過度な負担がかかることはありません。
しかし、以下のような要因があると、膝へのメカニカルストレスの均衡(バランス)が崩れ、特定の場所に負担が集中しやすくなります。
- 急激な身長の伸び:骨の成長スピードに筋肉の成長や柔軟性が追いつかない
- 筋肉の硬さ:特に太ももの前側(大腿四頭筋)や裏側(ハムストリングス)の柔軟性が低い
- 関節の硬さ:股関節や足首の動きが硬い
- 身体の使い方のクセ:猫背などの不良姿勢、がに股・内股、間違ったフォームでの運動
- 足の問題:扁平足や足裏のアーチの崩れ
- 不適切な靴:サイズが合わない、クッション性が悪い
これらの要因によって膝周辺の骨端線に引っ張る力やねじる力がかかり続けると、筋肉や靭帯、そして骨(特に弱い骨端線)にダメージが蓄積し、痛みとなって現れるのです。
これは膝に限った話ではなく、例えば野球肘(肩や肘の痛み)や、普段しない運動後の足裏の痛みなども、特定の部位にメカニカルストレスが集中した結果起こるものです。
「成長痛だから我慢するしかない」というのは大きな間違いです!適切な対処で痛みに悩むことはなくなります。
走ったり、ジャンプしたり、スポーツをしたりして痛みが出る場合は、まず活動量を減らす、または一時的に休止することが基本です。痛みを我慢して運動を続けると、症状が悪化してしまう可能性があります。
安静にしていても痛みがぶり返す、日常生活でも痛む、という場合は、痛みを引き起こしている根本的な原因に対処する必要があります。具体的には、以下のようなアプローチが重要になります。
- 筋肉の柔軟性改善:特に太もも周りの筋肉(前・後・内・外)やふくらはぎのストレッチ
- 関節の柔軟性改善:股関節や足首の可動域を広げる運動
- 体幹の安定性向上:正しい姿勢を保ち、効率的な動きの土台を作るためのトレーニング
- 身体の使い方の修正:スポーツ時のフォームや日常生活での姿勢の見直し
ほとんどの場合、上記の保存療法(安静、ストレッチ、運動療法など)で症状は改善に向かいます。しかし、まれに痛みが長引いたり、骨端線が閉じて骨の成長が止まった後も痛みが残ったりする場合には、手術が検討されることもあります。
以下の項目に当てはまるものはありませんか? これらは膝へのメカニカルストレスを増やし、痛みを引き起こす、あるいは長引かせる原因となります。
- 姿勢が悪い(猫背、反り腰など)
- 体が硬い(特に太もも裏、ふくらはぎ、股関節、足首)
- もも上げをした時に、支える側の膝がピンと伸び切ってしまう(膝の過伸展)
- 足の裏全体をつけたまま、深くしゃがめない(足首や股関節の硬さ)
- 扁平足である、または足裏のアーチが低い
- 靴が足に合っていない(サイズ、幅、クッション性など)
- スポーツ後のクールダウンやストレッチが不十分
一つでも当てはまる場合は、それが痛みの根本原因かもしれません。
痛みが続く、痛みが強い、腫れているなどの場合は、自己判断せず、まずは整形外科を受診しましょう。レントゲンなどで骨の状態を確認し、炎症の程度などを医師に診断してもらうことが大切です。
整形外科で「しばらくスポーツは休んでください」「運動量を減らしてください」と言われたら、それは骨や周辺組織への負担が大きいというサインです。まずは医師の指示に従い、しっかり休養しましょう。
「安静にしているのに痛みが引かない」
「運動を再開したら、また痛くなってきた」
そんな場合は、痛みの根本原因である身体の柔軟性の低下や、姿勢・動作のクセが改善されていない可能性があります。
このようなケースでは、リハビリの専門家である理学療法士などに相談し、個々の状態に合わせたストレッチや運動療法、身体の使い方のアドバイスを受けることが改善への近道です。
お子さんの膝の痛み、「成長痛」という言葉で片付けられがちですが、その多くは身体の使い方や筋肉のバランスの崩れによるメカニカルストレスの増加が原因です。
安静にすることはもちろん大切ですが、それだけでは根本的な解決にならないことも少なくありません。
- 痛みは引いたけど、歩き方が気になる
- 最近、急に姿勢が悪くなった気がする
もしこのような変化が見られるなら、痛みの根本原因である姿勢の崩れ、身体の使い方、筋力・柔軟性のアンバランスを整えるアプローチが必要です。
「成長痛は仕方ない」と諦めずに、正しい知識を持って適切に対処し、お子さんが痛みなく、思い切り活動できる身体作りを目指しましょう!
「うちの子の膝の痛み、何が原因なんだろう?」
「ストレッチやケアの方法がわからない」
「成長痛再発しないか心配…」
そんな親御さんの不安に、整体サロンHarmoniaがお応えします!
当サロンには、整形外科クリニックでの豊富なリハビリ経験を持つ医療系国家資格を保持したスタッフが在籍しています。身体の構造や動きのメカニズムを熟知した専門家が、お子さん一人ひとりの状態を丁寧に評価。痛みの根本原因となっている筋肉の硬さ、関節の制限、姿勢や動作のクセを見つけ出します。
- 専門的な評価:理学療法士が、痛みの原因を多角的に評価します。
- 根本改善アプローチ:痛む場所だけでなく、全身のバランスを整え、負担の少ない身体の使い方へ導きます。
- オーダーメイドの施術:整体、ストレッチ、運動療法を組み合わせ、お子さんに最適なケアを提供します。
- 再発予防:セルフケア指導や日常生活でのアドバイスも行い、痛みの出にくい身体作りをサポートします。
お子さんの身体は回復力が高く、早期に適切なアプローチを行えば、痛みから解放され、元気にスポーツや活動を続けられる可能性が十分にあります。
現代のお子さんは、スマートフォンの使用などによる日常生活での姿勢も痛みに影響しているケースが少なくありません。Harmoniaでは、そうした生活習慣へのアドバイスも行っています。
「もう痛みに悩まない!もっと楽しく元気に!」
整体サロンHarmoniaがお子さんの健やかな成長と活躍を全力でサポートします!
スポーツ少年団やチーム単位でのコンディショニング、膝痛予防の指導なども出張対応可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。お子さんの膝の痛みについて、一緒に最適な解決策を見つけましょう。