外反母趾で親指の付け根が靴に当たると痛いからと幅の広い靴を購入して履いていらっしゃる方、多いのではないでしょうか。デパートなどの靴コーナーでも外反母趾なら幅広い靴のほうがおすすめですと案内されて購入したという人もいるのではないでしょうか。
実は、外反母趾に対して幅の広い靴を履き続けることが逆効果ということはご存知でしょうか?
今回は、外反母趾と靴の選び方や対処法についてご紹介します。
外反母趾とは、足の親指の付け根の関節(中足趾節関節:MTP関節)から人差し指側にくの字に曲がってしまい、親指の付け根の部分が内側へ突き出してきてしまい痛みを伴うことをいい、その突出部が靴にあたって炎症を引き起こすと、靴を履いても痛みが現れる状態へ悪化します。
外反母趾の一番の原因は、つま先の幅が極端に狭くなる靴を履くことにより親指の付け根から先が圧迫されてしまうことであり、ピンヒールのようなヒールが高い靴は、親指の付け根にかかる力が増えるため、外反母趾をより強くします。
10代など若い世代から外反母趾になっている人は、足の指の筋力が弱く、扁平足であったりすることで歩いたり走ったりする際の負担が親指を内側へ倒す筋肉への負担が増えてしまうことが挙げられ、中年以降の場合は、肥満や反り腰といった歩くときの姿勢の悪さ、足の指の筋肉だけでなく、腹筋群やお尻の筋肉、太ももの筋肉が筋力低下を起こすことで起こりやすくなります。
人間の足には、3つのアーチ構造が存在していますが、そのうちの内側縦アーチと横アーチ2つがアーチ構造が維持できなくなっているのも外反母趾の特徴です。
外反母趾が悪化することで、靴を履いても突出した親指の付け根の関節に痛みが出てしまうため、靴に当たると痛いから幅の広い靴を履く人は多いのですが、実は逆効果なんです。
では、幅の広い靴がなぜ外反母趾に逆効果なのか解説します。
親指のことを考えると、当たらないように幅の広い靴のほうがいいように思えますが、親指の付け根以外の部分には余計な空間が生まれやすくなっています。
靴紐をきつく縛っていても自分の足幅より靴の足幅が大きいと、親指の付け根が当たっていなくても、足全体を靴でささえることができなくなり、歩いているときや急に立ち止まったとき、方向転換するときなど靴の中で足が滑ってしまいます。
靴の中で足が滑ることで、靴の壁に親指の付け根が当たってしまい痛みを伴うことがあります。
パンプス・ローファー・スリッポンタイプの靴においては、大きめなサイズを履いてしまうことで靴が脱げやすくなり、足の指を反らす力みが入りやすくなり、外反母趾を更に悪化させる原因となります。
靴の足幅が自分の足幅より広いと靴の中で足が滑ってしまうため、必要以上に足の指で踏ん張る機会が増えます。外反母趾の場合、親指の筋肉である母趾内転筋という筋肉がすでに硬い状態ですが、硬い筋肉に更に負担をかけることになり外反母趾を増悪させてしまうことに繋がります。
足幅の広い靴を履き続けるのは良くないとたくさん述べてきましたが、靴はどうやって選ぶのが良いのでしょうか。
いろいろ述べてきましたが、まずは足囲の大きすぎる靴を選ばないようにする事が大事です。
購入しようとしている靴の中敷きを踵を基準にして足の裏に当て、親指と小指の付け根にあたるポイントの形状が中敷きと自分の足とが合っているかを確認してみると良いでしょう。
メーカーによっても足幅が異なるので、色々メーカーの靴を履いて自分にあったサイズを選んでみましょう。
親指の付け根の部分が当たって痛いというのを避けるために、親指の付け根の部分がメッシュ生地で作られている靴を選ぶのも方法の一つです。
メッシュ生地になっていると当たりが弱くなるため痛みが出にくくなるとともに、それ以外の足の部分に靴がしっかりとフィットしやすくなるため靴の中で足が動いてしまうこともなくなります。
ただし、注意点として、靴全体が柔らかすぎる素材でできている靴に関しては、親指の付け根の当たりが少なくても、足への固定力が落ちてしまい母趾内転筋に対する負担が増えるためおすすめできません。
パンプスやローファー、スリッポンタイプの靴ではなく、紐靴・マジックテープでしっかりと固定できる靴を選ぶようにしましょう。
足に靴をしっかりと固定できることで、親指の付け根への負担を減らすこと、母趾内転筋の負担を減らすことにつながります。
外出するときに靴の脱ぎ履きを楽にするために靴紐をゆるく締める方もいらっしゃるかもしれませんが、外反母趾になって痛みに悩んでいるのであれば、靴紐はしっかりと締めて履くことが悪化を防ぐこと役立ちます。
靴の選び方以外で外反母趾になったら対策したいことをいくつかピックアップしていきます。
ホワイトテープやキネシオテープを使用して内側に曲がった親指を真っ直ぐな位置まで誘導・固定する方法です。
変形が軽度な人は、テーピングでの誘導で痛みを軽減させることが可能です。しかし、変形が中等度や高度になってくるとホワイトテープでなければ固定が難しくなり、ホワイトテープは常時付け替える必要があるため、費用が問題になります。
親指が人差し指側に倒れないようにするために、外反母趾サポーターというものがあります。親指と人差指の間にクッション材を挟み込むことによって親指が内側に入り、親指の付け根の部分が突出するストレスを減らす目的で使用することできます。
比較的手に入れやすく洗濯などのお手入れも可能であるため使いやすいと思います。
親指が人差し指側に倒れてしまう原因は、母趾内転筋が過剰に働いてしまい筋肉が縮こまった状態になってしまうことに由来します。そのため、硬くなってしまった母趾内転筋を一度ほぐし、しっかりと筋肉が伸びる環境に整えていく必要があります。
また、母指外転筋がしっかりと働かず親指を外に開いて置くことが維持できないことも外反母趾がひどくなる要因です。
母趾外転筋を機能させられるように母趾内転筋をほぐしストレッチした後に母趾外転筋のエクササイズが必要です。
しかしながら足の筋肉の並びなどをしっかり理解していないとセルフケアは難しいため、理学療法士などの身体の専門家に相談する事がとても大事です。足底の筋肉を強化して歩くことに生かしていくことが大切です。
外反母趾に対して幅の広い靴を履くと逆効果である理由をまとめてきました。幅の広すぎる靴は外反母趾にとって逆効果しかありません。しかし、適切に対処しないと親指の付け根の突出した部分にかかる負担を減らすことができないため、痛みは残り続けます。
ハルモニアでは、靴の選び方・靴の履き方・親指の筋肉へのアプローチ・セルフケアの方法指導を行い、外反母趾の軽減につなげます。また、外反母趾に負担をかける姿勢を整えるアプローチや自主トレ指導も行っています。
外反母趾は、膝の痛み・股関節の痛み・腰痛にもつながるためできる限り悪化しないように早めに対策をしていきましょう!
ぜひ一度ご相談ください。
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