今や現代病となっている「肩こり」は、大人だけでなく小学生など子供にも増えてきているのはご存知でしょうか。デスクワークや学校のICT化に伴うスマートフォンやタブレットの使用、小学生が背負うランドセルが重たくなっている等、肩こりが起こりやすい身近な環境があるといわれています。
- 首から肩にかけて疲労感が取れない
- 首から肩にかけてマッサージをしてもらうが、すぐに元通り
- 肩こりがひどくなると頭痛まで出てしまう
と長引く人も少なくありません。なぜ、肩こりがなかなか取れなかったり、楽になっても元通りになってしまうのでしょうか。今回は原因と解消につながるストレッチについて解説します。
人間の筋肉は常に一定の緊張(張り)を伴っています。例えるなら、車をエンジンかけたまま停めているアイドリングストップの状態です。日常生活の各動作(立ち座り・歩く・家事動作をする等)をスムーズに行えるように、寝ているとき以外は常にエンジンをかけた状態になっています。
肩の張りは、車のギアをパーキング(P)にした状態でアクセルを踏み、エンジンを吹かしている状態で必要以上の力を入れている状態です。肩の張りが続くと筋肉が疲労を起こし、血流が悪くなることで筋肉が酸欠状態になります。
しかし、筋肉は体温調整や姿勢を保ったり歩いたりするために活動し続けなければなりません。人間は、無酸素で筋肉が活動するとき乳酸が身体の中で作られますが、この乳酸が作られるときに水素イオンが発生し、身体が酸性に傾くことで筋肉に疲労が溜まりやすくなると言われています。
肩の張りが続くと無酸素で筋肉が活動するため、肩に疲労がたまり続け、” こり (筋硬結)”を生じることになります。こりを取り除き、筋肉に酸素が行き渡って活動できる状態にほぐして使えるようにした上で、肩の筋肉が張ってしまう根本原因を取り除く必要があるため、ただ首・肩をマッサージするだけでは、肩こりが良くならないのです。
では、その肩こりが起こる根本的な原因はなんなのでしょうか?原因は主に2つあります。
- 肩こり本来を起こしている場所の筋肉の使いすぎなどの一次的なもの
- 肩こりの場所とは異なる場所の筋肉が硬くなることで起こる二次的なもの
です。それぞれについて解説していきます。
筋肉の使いすぎ(オーバーワーク)による一次的なものにはどんなことが含まれるのでしょうか。
運動によって同一の動きを繰り返すことで負担が重なりこりを伴う場合があります。例として挙げると
- バンザイ動作を伴う競技(バスケットボール・バレーボールなど)
- 投擲動作がある競技(野球・砲丸投げ・やり投げ・バドミントンなど)
- ウェイトを利用したトレーニング(ダンベルシュラッグ等) etc.
が挙げられます。
力仕事を要する職業の方には、肩周りの疲労が抜けきらないで肩こりを起こす方がおります。例えば、
- トラックに荷物を積み込んだりおろしたりする仕事をされている方
- ペットボトルの箱など重たいものの陳列といった品出し作業をが多い方
- 引越し業者
- 頭より上へ荷物を持ち上げる作業が多い方 etc.
といった仕事の方に起こります。
小さなお子様を持つご家族は、子どもを抱っこする機会が多くなりますね。抱っこ紐による抱っこも、抱っこ紐を使わずに行う抱っこも肩の筋肉に負担をかけています。片手で抱っこする場合は、両手で抱っこするよりも負担は大きいのです。
また、替えのおむつやウェットシート、ミルクなどもリュックに入れて背負って出かける方も多いため、より方に負担をかける傾向にあります。
楽器奏者は、楽器を演奏中ずっと空中に支えていることで肩周囲が疲労しやすく、肩こりの原因になります。例を上げて言うと、
- フルートやトランペット、トロンボーンなど空中で支えながら演奏する楽器
- バイオリンやチェロなど弓を空中で操作して演奏する楽器
- ピアノやエレクトーンなど腕を空中に保持した状態で演奏する楽器 etc.
といった方にあてはまります。個人の筋力や演奏姿勢姿勢によって肩こりが起こりやすい個人差はあります。
これらの使いすぎによって起こる痛みは、肩甲骨を上に持ち上げたり腕を持ち上げる筋肉である
- 僧帽筋(上部)
- 肩甲挙筋
- 棘上筋
に起きていることが多いです。こうした筋疲労の場合は、筋肉を直接揉んで「ほぐしたり」、ストレッチして「ゆるめたり」していく必要性が高くなります。
炎症症状が収まっても痛みが取れない場合は、炎症を起こした筋肉を対象に、筋肉の血流状態を上げるように運動したり、筋肉を柔らかくするための施術やストレッチを行う必要があります。
続いて本来の場所とは違う部分の筋肉の硬さが原因となって起こる肩こりについて解説していきます。肩こりがマッサージ行っても治らない人のほとんどがこの二次的な肩こりです。
- デスクワークでの長時間のパソコン作業
- 接客業などの長時間の立ち姿勢
- 調理場での包丁作業やフライパン操作
- ミシンや縫い物や編み物などの作業
- 産後ママの赤ちゃんの抱っこ etc.
といった大きな動きを伴わず、身体を固定したままの作業がこれに該当します。また、『悪い姿勢』を保持した状態を長時間続けていることも肩こりが起こる原因となります。
- 椅子に座って長時間背中を丸めながらゲームをしている
- うつ伏せで肘をつきながら本を読んだり、スマホをいじっている
- パソコン作業で小さいモニターに覗き込んでの作業が長い
- 楽器演奏中背中が丸まっている
- 枕が合わない etc.
意識せずにやっていた姿勢などが実は負担のかかる姿勢だったりします。
筋肉の使いすぎで起こる肩こりは主に、僧帽筋・肩甲挙筋・棘上筋と首から肩にかけて分布する筋肉が常に緊張を伴い、疲労を起こすことで、痛みを伴うと説明しました。
ですが、長時間同一姿勢での肩こりの根本的な原因は、痛みが出ている首から肩にかけてに無いことが多いです。
前述した同じ姿勢を保持する仕事や作業が多い方、悪い姿勢になりやすい方は、背中が丸まる猫背・巻き肩になり、肩が前に出やすくなります。すると
- 大胸筋
- 小胸筋
- 前鋸筋
といった筋肉が縮こまりやすくなり、肩こりを起こす僧帽筋・肩甲挙筋といった筋肉に引き伸ばされるストレスが掛かるようになります。
また、猫背が続くことで上半身よりも頭を前に突き出す姿勢を取りやすくなり、首、肩、背中の筋肉まで硬くなるのです。(首・背中の話まですると長くなってしまうのでまた別の記事にします!)
肩こりがある場合はどうしたらいいのでしょうか。良くならないから諦めて放っておいていいのでしょうか?肩こりを感じた時点で筋肉の血流を悪くしないように対策しましょう!
我慢に我慢を重ね、頭部の血行不良や神経圧迫にて起こる「緊張性頭痛」、自律神経の乱れから起こる「吐き気」といった辛い症状が現れててからでは、症状が収まるまでに時間がかかります。自律神経の崩れは、一日二日ですぐに解決されるものではないからです。
“こり”が増えれば増えるほど、症状の解決は遅くなりますし、先にも述べてきたように、肩こり部分以外の問題が現れてくるとマッサージしても効果が長続きせず、思い切り強くやってもらったら“もみ返し“で逆に痛くなってしまったなんてこともあるのではないかと思います。”こり”をほぐし、筋肉が本来持つ伸び縮みの機能を取り戻し、肩こりを起こす原因となっている悪い姿勢を変えることで、はじめて肩こりは解消されていきます。
肩こり解消につながるストレッチの動画をご紹介します!
肩こり・猫背対策におすすめな4つの体操をまとめて紹介している動画です。肩周りの筋肉をほぐして血行を高めるストレッチです。
今回は、肩こりの根本原因と対策について解説しました。肩こりは今や、現代病として小学生から高齢者まで問題となっています。現代の生活様式が和式から洋式に変化してきたこと、便利な道具が増え、身体を動かす機会が少なくなったことも影響していると言われています。
正座などで姿勢正しく座る機会が多かった生活が、現代では椅子に変わり、背もたれによりかかりながら背中を丸め座っている機会が増えることで、姿勢を正すための背筋力が弱くなり、骨盤をしっかりと立てておくための骨盤周りの筋力も弱くなり、結果として肩こりが起きやすい姿勢となっています。
肩こりは、原因をしっかりと捉えられれば改善する方法はあります。筋力バランスが崩れて肩こりを起こしている場合は、マッサージだけでは絶対に解決しません。マッサージの後、楽になるけど翌日には辛さが戻っている・揉み返しが来てしまうという方は、前述してきたように肩こりが起こっている場所以外の部分の問題が隠れています。
自分でストレッチを行ってもなかなか解決しない方、マッサージや鍼灸などに行ってもなかなか肩こりが解決しない方は、ぜひ整体サロンハルモニアにご相談ください。
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