喘息や花粉症を患っておられる方いらっしゃるのではないでしょうか。症状がひどい方は、大きくいきを吸い込もうとするとむせてしまい、息が吸いづらいという方もおられるかと思います。
気管の炎症だけに目が行きがちですが、実は繰り返されるせきによって身体に変化が起こっていることはご存知でしょうか。この変化をそのままにしておくと薬では対応しきれない苦しさや疲労感などの原因になったりします。
今回は、実際にご利用されたお客様にあった、花粉症や喘息などで起こった大腿部前面の痛みにについてお話していきたいと思います。
腹筋が硬くなりやすい『くしゃみ』と『せき』
花粉が増えると出やすい「くしゃみ」「せき」「鼻水」。喘息であれば、「せき」「息苦しさ」があるかと思います。
花粉が多い時期、「くしゃみ」「せき」「鼻をかむ」をしている方で、腰痛や肩こり起こっているという方は「くしゃみ」「せき」「鼻をかむ」に伴う筋肉疲労による硬さが原因かもしれません。
頻度が少なければ何も問題になりませんが、くしゃみや咳の回数が増えれば増えるほど、瞬間的に息を吐き出す行為を繰り返すことになります。この瞬間的に息を吐く動作は、努力的に息を吐き出す動作であり、その際、以下の画像にあるお腹の外側に位置する筋肉である腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋に力が入ります。
主観的に1度や2度程度起こるくらいでは、これらの筋肉は固くなりませんが、花粉症の時期に繰り返し「くしゃみ」「せき」「鼻をかむ」が高頻度で行われると、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋が疲労しやすくなり力が入った状態が抜けなくなると硬くなってきます。
自然と背中が丸まった姿勢になってしまう・姿勢を正すとすると腰が反ってしまう・みぞおちのあたりが張っているなどの症状を感じている方は、これらの腹筋群が硬くなったまま力が抜けなくなっている可能性が高いです。
このような場合は、これらのお腹の筋肉をストレッチしていく必要があります。
【実際例】朝方の太ももの攣りそうな痛みでご来院いただいたお客様
Harmoniaををご利用いただいたお客様で、大腿直筋という太ももの前側にある筋肉の過緊張が起こり、朝方の痛みの原因になっていた方がいらっしゃいました。実は、その原因が喘息による呼吸の機能の問題が関係していたので、解説していきたいと思います。
病院では、ひどい症状が出てもおかしくないという指摘を受けたほどの喘息をお持ちであり、吸入器を常に持ち歩いている学生さん。太もも前側が痛くなりやすいとのことで施術をさせていただきました。
太もも周囲の硬さを確認すると大腿直筋という筋肉に圧迫すると痛みが出ていました。
また普段は肩こりも起こりやすいとのお話でした。喘息持ちの方であったため呼吸を確認すると、
- 浅くなっている
- 息を吸ったときの胸の動きがほぼ無い
- 呼吸の回数が多い
といった問題がみられました。
これらの呼吸の以上は、呼吸苦を経験した人に傾向として多く、喘息はもちろん、気管支炎や肺炎を経験された方なども呼吸方法が悪くなる場合があります。
本来、呼吸をする際には以下の画像のように、横側に広がるバケツハンドル運動と胸を張るように広がるポンプハンドル運動という2つの動きが起き、肋骨が広がることで肺へ空気が送り込まれる量を増やします。
ですが、この動きが固くなると、必然的に肺が広がりきれず、一度に吸える空気の量が少なくなるため、呼吸回数を必要としてしまうのです。
呼吸の際に肋骨が動かなくなると、自然と肋骨を動かすために必要な筋肉が固くなり、上半身の柔軟性が低下していきます。この方も、肋骨の動きが少なく、肋骨の動きも出ない状態でした。
大腿直筋の張りがあると腹直筋というお腹の筋肉も硬くなりやすいため、下記の写真のようにうつ伏せにて身体を反らす体操をしてもらうとお腹が突っ張り、みぞおち付近が伸びる感覚があるとのことでした。
先に説明した腹直筋という縦に長い腹筋が硬くなり、伸びなくなっていました。この方の場合は腹直筋だけでしたが、人によっては外腹斜筋・内腹斜筋も硬くなってしまう場合があります。
腹直筋が硬くなり伸びなくなってしまうとどうなるか。
- 背中が猫背のように丸くなる傾向が強くなる
- 頭が前方に飛び出やすくなり首の後から肩にかけて張りやすくなり肩こりが起こる
- 上記の状態の姿勢が続くと上半身の支えがお尻の筋肉ではなく太ももの前側の筋肉が中心となり、張りやすくなる
というような以下の写真の姿勢をとりやすくなります。
ですので、定期的な肩こりと太ももの張りが抜けなくなってしまうことにつながっていたのです。
Harmoniaが行った施術とアドバイス
このお客様の場合、喘息をお持ちであったことにより以下の3点
- 深呼吸をすること
- お腹の筋肉のストレッチをすること
- 太ももの筋肉のストレッチをすること
をお伝えしました。
肺に空気を取り込む際に、呼吸が浅くなり肋骨が全く動いていなかったため、深呼吸をしてもらうよう指導しました。ただし、喘息持ちの方が勢いよく深呼吸をするとむせてしまい逆効果である場合があるため鼻から吸い、口をすぼめた状態で息を吐く深呼吸の方法をお伝えしました。比較的むせることが少なく深呼吸ができる方法です。
口をすぼめて息を吐く際は、口の前にティッシュペーパーを用意してそのペーパーをすぼめた口から吐く息で揺らすようにしてみると良いでしょう!
お腹のストレッチは、前述した上半身をそらすストレッチを中心に行ってもらうようにお伝えしました。腰の痛みが出ず、気持ちよくお腹が伸びるようであれば効果的なストレッチとなります。
バランスボールをお持ちの方であれば、仰向けでバランスボールへ寝そべることでもお腹の筋肉を伸ばすストレッチになります。
太ももの大腿直筋という筋肉はオーバーワークを起こしており純粋に縮こまったたままになっているため、ストレッチするようにお伝えしました。太ももの前側を伸ばすストレッチは色々ありますが、私が一番オススメする今回お伝えしたストレッチは、壁を使ったストレッチです。
写真のようにつま先を壁に当てながら、膝を壁から10〜20cm程度の位置につけます。反対側の膝を立てて上半身を起こしていきます。硬い方は、この姿勢になるだけでも十分太ももが伸びていきます。30秒程度行うと良いでしょう。
更に、膝をついている側の手をバンザイするように伸ばしあげることで、腹筋と合わせて太ももの前側にある大腿直筋を伸ばすことができます。
まとめ
今回は、どうして咳やくしゃみが多いことで、太ももの張りなどの不調が起こるのかについて解説しました。些細なことですが、花粉症や喘息で咳・くしゃみが積み重なることで腹筋が硬くなり、ひどい場合には太ももの前側の筋肉まで硬くなってしまいます。
もちろん、人によって不調が現れるところは様々で、背中に出る方もいれば首に出る方もいます。薬を飲んでも解決しない、ストレッチなどのセルフケアをするけどもなかなか良くならないという方は、理学療法士などの身体の機能を熟知している専門家に相談すると良いでしょう。
整体サロンHarmoniaでは、硬くなりやすい上半身や腹筋の柔軟性を高める施術やストレッチを行っています。くしゃみやせき、鼻をかむなどの回数が多かったときに自宅でできるストレッチもお伝えしていますのでぜひご相談ください。
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