長引く筋肉・関節の痛み、産後の手首・肩・腰などの不調、楽器演奏での指・手首などの不調はHarmoniaへ

日本音楽家医学研究会に参加しました。活動報告その②

日本音楽家医学研究会の学会に参加しました。学会内容の後半の解説になります。

 2029年11月3日に東京大学にて開催された「第9回日本音楽医学研究会」に参加し、音楽家に対する医学について学ぶ部分がありました。

参加し学んできた内容をまとめた、活動報告その2になります。前回書いたその①の内容も合わせて御覧ください。

4.歌声の診かた 駒沢大吾先生

 駒沢先生のお話は、今まで理学療法士として仕事してきてほとんど関わることのなかった、声帯に関してのお話でした。
声帯の動き方、かすれた声が出たときの声帯の状態、手術の方法などわかりやすく解説されていました。

声帯には感覚がないため、浮腫を起こしていても気づきにくいため悪化させやすい話や、歌いすぎたあとは口を閉じた状態でハミング(ん〜〜〜♪)をして血流を促したほうが早く治る話はとても勉強になりました。
また、声帯に出来た結節をほんの1mmにもみたない次元で手術にて取り除くだけで声帯の動きが変わるという映像を見て度肝を抜かれました。
声を生業にしている方は、声帯の浮腫や出血は死活問題になりかねないので、治らず困っている場合は、駒沢先生にご相談してもいいのではないかと思います。

駒沢先生が作成してきたスライドが170枚を超えていたため公演予定時間も少々押してしまうくらいたっぷりな内容。データを配布してあとで確認してくださいと言われたため、またじっくりスライドを眺めてみたいと思います。

5.逆説的にジストニアから学ぶ、ゆるくても効率的な奏法・練習法 上杉春雄先生

神経内科医でピアニストでもある上杉先生のお話では、
①ジストニアの現状
②ジストニアの症状が起きている方の脳ではどんなことが起きているのか
③ジストニアを引き起こすこと無く、効率の良い演奏とはなにか
という点について講演されておりました。

そもそも、ジストニアとはなんぞや?というところですが、音楽家の医学関連の書籍を読むと以下のように説明しています。

ジストニアは、筋肉が勝手に緊張してしまって、考えてもいない姿勢や動作が現れてしまう病気です。

音楽家と医師のための音楽家医学入門より

ジストニアには、症状が全身に現れるものと身体の一部にしか現れないものがあり、後者が局所性ジストニア、すなわちフォーカル・ジストニアと呼ばれています。

音楽家と医師のための音楽家医学入門より

特定の動作時に発症するジストニアを動作特異性ジストニアと呼びますが、音楽家のジストニアの多くもこのタイプに属します。

音楽家と医師のための音楽家医学入門より

上杉先生は音楽家のジストニアはアルツハイマー認知症の方よりも多いとされており、2014年の時点で10万人に1240人の割合で罹患しているとおっしゃっていました。

ここから少し専門的な部分のお話になります。
functional-MRIを用いた脳の検討にて、ジストニアの方は各指の感覚野のマッピングに重なりが大きくなっており、一次感覚野では時間的にも空間的にも各指の区別が難しくなっているとのことでした。
簡単に説明すると、脳が人差し指だけを動かしたいと司令を出したときに中指も動いてしまう状態にあり、分けて動かすことが難しいということです。
また、右手だけにジストニアの症状が出ている方でも左手を動かす脳の働きもマッピングの重なりがみられている傾向にあるとのことでした。

上杉先生が実践してきた練習方法として挙げられていたのは、

  1. 基本的な演奏技術の習得
  2. 長時間・長期間の酷使、熱心な反復動作は避ける
  3. 新しい譜面や演奏箇所、難しい演奏箇所を練習初期段階で頑張らない
  4. イメージトレーニングを十分に行った後の短時間の演奏練習

ということでした。

④に関しては、イメージトレーニングと2時間の演奏練習したときとイメージトレーニングなしで長時間(どれくらいの時間の練習時間か聞き漏らしました…)の演奏練習したときのパフォーマンスの違いを比べたときの違いは無かったという研究もあるとの話であったため、オーバーユースやミスユースにて引き起こされるジストニアはイメージトレーニングをしっかり行うことで防ぐことができるのではとのお話もありました。

※イメージトレーニングに関する論文についてまとめたブログ記事はこちら

練習のし過ぎは、脳の可塑性により、予め動作を予測して動くフィードフォワード制御を過剰に反応させてしまうことにより起きる可能性が高いという考え方は目からウロコでした。

研究会参加して

 今回は、音楽家に特化した医療の研究会に参加し、音楽関連の話をたくさん聞くことが出来ました。セラピストとして活動する中で音楽家への対応はまだニッチな部分かと思われます。専門性の高い職業であるからこそ、特有の症状、身体の使い方があり、またそれを個々人の筋力、感覚に合わせてコンディショニングをしていく必要があると改めて考えるよい機会となりました。
 私は、楽器演奏の演奏経験がさほど無いため、現代の有名な演奏家の方々の話や、音楽関連の専門用語を聞いてもわからない部分も多かったため、ジストニアで困っている世界的なピアニストや指導者の名前が出てきても正直ちんぷんかんぷんでしたが、もっと楽器それぞれの専門性を把握しなければいけないなと思ったと同時に、実際の演奏を聴く機会ももっと必要だなと感じました。

研究会の参加報告は以上としたいと思います。

2025年現在、日本音楽家医学研究会は日本演奏芸術医学会と日本演奏芸術セラピイ研究会に別れ活動を続けています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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前方重心でのフルート演奏姿勢を保持している写真です。息の吸いづらさや首・肩の張り・腰痛などが起きやすくなります。

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