日頃、仕事や外出、家事、スポーツなどをしていて疲労を感じたり、気温・気圧の変化、風邪、ストレス、睡眠不足などで倦怠感を感じることがありますよね。
そんなとき、「やる気を出さないと!」と朝に缶コーヒーを飲んだり、日常的にエナジードリンク・栄養ドリンクを飲んで眠気や疲労感への対策をする方もおられるのではないでしょうか。
そういった方で、日頃の疲れがなかなか抜けないと感じたり、日中だるくて集中力を欠いてしまうという方はいませんか?実は、朝の缶コーヒー、日常的に飲むエナジードリンク・栄養ドリンクが、身体の怠さを助長する原因になっているかもしれません!
- 水分摂取がすべてジュース(水など味がついていない飲みものが苦手)
- 3食の食事は少ないのに間食が多い
- お茶を飲んでいるが、ミルクティーやマスカットティーなど甘みのついたもの
- 毎朝、朝食代わりに甘みのついた缶コーヒーを飲む
- 眠気覚ましにエナジードリンクを毎日飲む
上記のことに心当たりがある方は、ぜひこの記事を最後までお読みください。糖分の過剰摂取と疲労・倦怠感は密接に関係していることがわかります。
今回は、糖質の過剰摂取から起こる「糖化」についてお話していきます。
甘いものが身近にたくさんある昨今、「脳をたくさん使ったときは糖分が必要になる」とよく言いますが、デスクワークなどで脳を使って疲れるからとたびたび飴やチョコレートなどを机に潜ませて食べている人もいらっしゃるでしょう。
しかし、糖分が足りないと思ってとった糖分が実は過剰になっているなんてことが意外に多いのです。
成人は、1日に必要な砂糖の摂取量が25gと2015年にWHO(世界保健機関)が提唱しています。この必要摂取量を超えて砂糖を摂取するとどうなるのでしょうか。
人間は脳活動や日頃身体を動かすことによって糖分を代謝していますが、必要摂取量を超えて摂取することで、身体に余分な糖が蓄積されます。蓄積された余分な糖がタンパク質と結合することで、体内で糖化が起こり糖化最終生成物(AGEs)という物質が体内で作られます。
この体内で生成されたAGEsという糖化最終生成物質は、分解されにくく身体に蓄積されると、体内のタンパク質が本来の機能を失って、体内の正常な代謝を妨げてしまうのです。そのため、疲労を起こす原因となる物質を筋肉内から血流によって押し流す機能が低下してしまい、筋肉に疲労が残りやすくなるのです。
日頃、積極的に運動をこなしている人であれば、糖分を摂取してもしっかり代謝され、大きな影響を受けないことも多いですが、日頃から通勤に自動車を使い、デスクワーク中心の仕事であったりすると、運動の機会もなく糖代謝が追いつかなくなり、糖化が起こりやすくなるのです。
社会人の方で、日頃そんなにたくさん甘いものを飲んだり食べたりしていないのに…と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、身近な飲み物に糖分が多かったり、ぶどう糖果糖液糖という人工甘味料が入っているため知らないうちに糖分を過剰摂取していることもあるのです。
そんな飲み物についていくつかご紹介していきたいと思います。
※以下にご紹介する表は、DIAMOND onlineに牧田善二医学博士がまとめている【「缶コーヒーは悪魔の飲み物」と医者が言う理由」】という記事の表を参考にしています。
毎朝、目を覚ますためにと自販機だったり、コンビニだったりで買える缶コーヒーですが、実は1本飲むごとに結構な量の砂糖を摂取しています。そこで、各メーカーの缶コーヒーの糖分の量を比較してみました。(※角砂糖一つの重さは3~4g)
商品名 | 容量 | 1本あたりの角砂糖 | 1本あたりの角砂糖の重さ(3g換算) |
---|---|---|---|
ジョージア マックスコーヒー | 250ml | 6.1個 | 18.3g |
BOSS カフェオレ | 185ml | 3.7個 | 11.1g |
ダイドーブレンド ブレンドコーヒー | 185ml | 3.4個 | 10.2g |
ジョージア エメラルドマウンテンブレンド | 210ml | 3.6個 | 10.8g |
BOSS レインボーマウンテンブレンド | 185ml | 3.1個 | 9.3g |
こう見ていくと、甘いコーヒーの代名詞であるマックスコーヒーは1日の平均摂取量の半分以上を摂取することになってしまいます。また、どれも缶コーヒーであるため量が少ない中で、1日の摂取量の半分近くを摂取してしまう可能性を秘めています。
缶コーヒーを毎日飲み、デスクワークで動かない方は糖質を消費しきれない可能性が高くなります。
缶コーヒーだけでなく、ペットボトルやプラカップのカフェオレ・カフェラテも甘いですよね。糖分、やっぱりたくさん入っています。先程と同様にまとめました。
商品名 | 容量 | 1本あたりの角砂糖 | 1本あたりの角砂糖の重さ(3g換算) |
---|---|---|---|
BOSS とろけるカフェオレ | 500ml | 11.1個 | 33.3g |
スターバックス カフェラテ | 200ml | 4.3個 | 12.9g |
ドトール カフェ・オ・レ | 500ml | 8.8個 | 26.4g |
缶コーヒーよりも量が増えるものも多いため、糖分の量多くなっていますね。デスクワークをしていると頭を使っているから糖分補給のためにこういったカフェオレを買う人もいるかもしれませんが、飲み過ぎには注意したいですね。
紙パックのミルクティーやレモンティーを飲む方、いらっしゃいますよね?
高校生・大学生がよく飲んでいるイメージがありますが、これらの飲み物も砂糖多いんです。1本あたりの炭水化物量の表記のみであるため、目安で見てもらえると良いかと思います。
商品名 | 容量 | 1本あたりの炭水化物量 |
---|---|---|
リプトン ミルクティー | 470ml | 35.72g |
リプトン レモンティー | 500ml | 33g |
炭水化物≒糖分と考えるとどちらの飲み物も1日の砂糖の摂取量を超えています。学生で部活やスポーツを毎日やっている人にとっては問題ない量になるかもしれませんが、文化部で体を動かす機会が限りなく少ない人だった場合、3食の食事もちゃんと摂ってしまうと絶対的に糖分摂取量オーバーになってしまいます。
炭酸飲料は良く砂糖の取り過ぎの代名詞として出てくることが多いですよね。たまに飲む分にはそこまで影響しませんが、毎日飲んでいる方いらっしゃるようであれば注意しなければなりません。
商品名 | 容量 | 1本あたりの炭水化物量 |
---|---|---|
コカ・コーラ | 500ml | 56.5g |
三ツ矢サイダー | 500ml | 55g |
CCレモン | 500ml | 43g |
表にまとめてみましたが言わずもがな、糖質はたくさん含まれています。毎日のようにコーラを飲む方、1度に1.5Lのペットボトルで飲んでしまう方がいるのであれば、注意しなければなりません。
実は、上記の飲み物以外にもこの飲み物が糖分が多い飲み物がたくさんあります。
近年、エナジードリンクが様々な種類販売されていますし、栄養ドリンクは昔からたくさん出回っています。
眠気が辛いとき、疲労感が強いときなどに飲むものとして存在していますが、コンビニエンスストアなどの冷蔵庫にたくさん並んでいて簡単に手に取ることができます。
エナジードリンクは、ジュース感覚で飲む若者が多いのですし、栄養ドリンクは箱買いする高齢者をよく見かけます。
しかし、以下の表で示すように糖質はかなり含まれています。
商品名 | 容量 | 1本あたりの炭水化物量 |
---|---|---|
レッドブル | 250ml | 27.5g |
MONSTER ENERGY | 355ml | 44.73g |
リポビタンD | 100ml | 18g |
オロナミンC | 120ml | 19g |
レッドブルやモンスターエナジーは、1日の摂取上限を超えていますね。
また、栄養ドリンクのリポビタンDもあの量で1日の摂取量を半分も摂っていることになります。
疲れているからと言ってエナジードリンクや栄養ドリンクを毎日のように飲んでいる人がいるとしたら、疲れを取るのではなく、一時的に体に喝を入れて、糖化を早めているだけかもしれません。
高齢者が「疲れやすいから毎日栄養ドリンク買って飲んでいるんです」という行動をされる方が多いですが、実は逆効果であり、糖尿病や高血圧などを患っている方であれば毎日栄養ドリンクを飲むことをやめる必要があるでしょう。
また、エナジードリンクはカフェインを多く含んでいるものがほとんど。カフェインは、覚醒効果がありますが過剰摂取すると副腎という血糖・血圧・水分・塩分量をコントロールするホルモンを分泌させる臓器が疲労を起こしやすくなりますが。が起こった場合でも疲労は強くなります。
甘い飲み物で盲点になりやすいのが、スポーツの際に飲むポカリスエットやアクエリアス、ゲータレードなど甘みのついたスポーツドリンクです。人によってはスポーツをしていないときに飲む方もおられるかもしれませんが、飲み過ぎはやはり糖質のとりすぎになります。スポーツマンでもスポーツドリンクの飲み過ぎはパフォーマンスを低下させる要因になるため飲んでいい量を決めないといけません。では以下にまとめます。
商品名 | 容量 | 1本あたりの炭水化物量 |
---|---|---|
ポカリスエット | 500ml | 31g |
アクエリアス | 500ml | 23g |
グリーンダカラ | 600ml | 26.4g |
表から見ても、実は糖質が結構含まれていることがわかります。
スポーツの際は、運動にてエネルギーとして糖質を消費しているため補給する必要があるため成分として含まれています。
ですので、日常生活にて常飲することが目的とされていないため、運動せずデスクワークだけの方が毎日飲むのは避ける必要がありそうです。
「水分摂取としてスポーツドリンクや経口補水液だったらいいんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、先の飲み物の糖分の説明これらの飲み物を運動していること、身体が脱水を起こしていることを前提に作られているものであり、運動を頻繁に行う人、炎天下の中作業をする人、熱中症などの症状になりかけている人が飲む分には効果がありますが、常飲して良いものではありません。糖分もさることながら塩分過多にもつながりますのでご注意ください。
大人の疲労感・倦怠感もありますが、子どもに倦怠感を訴える子が増えています。
それは、外で遊ぶ機会が減り、スポーツテストの結果も10年前に比べて平均値が下がっていることもありますが、背清涼飲料水が10年前、20年前よりも種類が増えていること、お菓子も様々な美味しいお菓子が増えていること、タピオカドリンクやアイスなど甘い飲み物・食べ物の流行が多いことなども原因として考えられます。
また、整形外科クリニックで働いていたときから度々経験していたのですが、倦怠感を訴えているお子様のお話を聴くと「水よりもジュースを飲むことが多い」「3食の食事より間食が多い」というのが多くありました。
簡単に甘いものが食べたり飲んだりできる現代だからこういった問題が増えているのかもしれません。
倦怠感の原因は、他にも平均睡眠時間が4時間程度(小学生には8〜9時間は必要)といったお話もあったりしました。子どもの成長にとって、成長ホルモンの分泌がとても重要になるため栄養はバランス良くとり、しっかりと睡眠を取ることが大事ですね!
糖化で生まれたAGEs の代謝を高めるためには組織の再生能力(ターンオーバー)を適正に保って老化したタンパクの蓄積を抑制することが必要になります。
そのための対策としては
- 必要以上の甘いものを摂取しない
根本的に糖質の摂りすぎにて身体に余計な糖分が蓄積されることが原因となりますので、摂りすぎている場合には見直してみましょう。 - 空腹時に甘い食べ物やジュースを摂取しない
急激な血糖値の上昇が糖化を早めます。ですので、どうしてもお腹が空いたときにはナッツ類やライ麦・胚芽小麦のパン、玄米、チーズなどを食べると急激な上昇を抑えることができると言われています。 - ベジタブルファースト
最初に野菜を食べることで食物繊維の持つ効果により糖分の吸収を抑えることができると言われています。 - 食べた後に運動をする
食後30分から1時間頃の血糖値が上昇が起こるタイミングでウォーキングなどの有酸素運動を行うと血糖値の上昇が安定し、糖化のリスクを減少させることができます。
甘いものが好きなお子様で倦怠感が出ている子どもは、接骨院や整体院に行く前に「お菓子を減らす」「ジュースを飲んでもコップ1杯まで」など食生活をコントロールするところから始めてもらってもいいかもしれません。
今回は、倦怠感の原因の一つとなっている「糖分の摂りすぎ」についてピックアップしました。倦怠感の原因に関しては、簡単に糖分だけの問題と言い切ってしまうことはできません。様々な原因が考えられます。
糖化が進んだ筋肉に対してのマッサージは、筋疲労の回復が進まないため逆効果であることもしばしばです。これは、末梢神経の反応が鈍くなったことで起こる現象で、マッサージのやりすぎは、もみ返しにつながるとともに、筋肉を緩めすぎてしまい、脱力につながるため疲労感・倦怠感を悪化させる要因になります。
Ⅱ型糖尿病という後天的になる糖尿病を患っている方に関しては、末梢神経障害を伴っていると筋肉を押されて痛い感覚が鈍くなっている可能性もあり、そのような状態で筋肉をもみ続けると内出血や筋損傷をしていても気づかないこともあります。
Harmoniaでは、カウンセリングシートから生活習慣などを深堀りし、倦怠感が起きている原因を「筋肉が原因」なのか「栄養が原因」なのか「精神的ストレスが原因」なのか「睡眠不足が原因」なのかを判断した上で必要な施術・トレーニング・栄養指導・睡眠指導を行います。
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