運動を始めた直後に太もも裏やふくらはぎに痛みを感じ、休めば一時的に良くなるものの、また運動を再開しようとすると痛みが現れてしまい継続できない方いらっしゃいませんか?
整形外科に受診して太もも裏・ふくらはぎに痛みから『肉離れ』と診断されることも少なくありません。症状が軽症であった場合、痛み止めや湿布などの処方され安静にするように言われて終わってしまう方も多いのではないでしょうか。
治ったと思い、運動を再開するとまた痛みを繰り返すという方もいます。ではどうして痛みを繰り返してしまうのか。
今回は、肉離れについての正しい理解と、太もも裏・ふくらはぎにすぐ痛みが出てしまうのは何が原因なのか対策も含めてご紹介します。
肉離れとは、筋肉が断裂する怪我のことを指し、筋肉が引き伸ばされながら収縮すると筋力に耐えきれず、筋肉が切れたり裂けたりすることで炎症や内出血を起こし、腫れや激しい痛みを感じます。
スポーツ中に起こることが多く、太もも前側にある大腿四頭筋や太もも裏側にあるハムストリング、ふくらはぎにある下腿三頭筋という筋肉に多く、殆どの場合が部分断裂です。まれに筋肉が完全に断裂してしまうことがあります。
痛みを感じる部分を指差すことができ、押すと痛み(圧痛)を感じ、筋肉が断裂している部分を触ると凹み(陥凹)を感じます。
整形外科に受診した場合、MRIにて重症度をしっかりと確認してもらうことができます。軽症例では、筋肉内や筋肉と筋肉の間に出血が認められ、中等症では筋肉・腱に部分的な損傷、重症になると筋肉や腱が完全断裂したり骨から腱が離れてしまうことがあります。
軽症例は、1〜2週間を目安に競技復帰を目指し、中等症では4〜6週間を目安に復帰を目指します。しかし、重症例ではギブス固定や松葉杖を使用したりなどスポーツ復帰までに4〜6ヶ月程度かかる場合もあります。中等症以上は再発のリスクもあるため、負荷の高い動作(瞬間的にダッシュする・重い重量でのバーベルトレーニングなど)は焦らず経過を見て負荷量の少ない運動から徐々に負荷の高い運動へ痛みの状態を確認しながら移行していきます。
運動を始めてすぐ感じる太もも裏やふくらはぎの痛みはの原因は、肉離れなのでしょうか。それを判断するためには、熱感・腫れ・内出血があるかどうかで判断することが重要です。
肉離れした場合は、熱感・腫れは必ずみられます。そのため、痛みを感じているのに熱感・腫れを感じない場合は、肉離れではないこともあります。そのためまずは整形外科に受診して診断してもらうことが大切です。
整形外科に受診して肉離れとは診断されず、レントゲンなどでは異常所見がないと言われるケースもあります。
このような場合、考えられる原因として筋肉の柔軟性低下や筋肉同士の滑りやすさ(滑走性)が著しく悪いことで痛みを感じている可能性があります。
運動中に痛みを感じる部分を中心に筋硬結という部分的に縮こまって硬くなった筋肉がある場合が多いです。
筋硬結を起こすきっかけとして筋肉の疲労や血行不良がありますが、スポーツマンにおいてそれらの症状を引き起こす原因はアフターケア不足です。
プロアスリートの方は、練習前にウォーミングアップ(準備運動)、練習後にクールダウン(整理体操)を取り入れて怪我の予防を行っています。
しかし、趣味で運動を行っている人はクールダウンを怠るケースが多いです。また部活動をしている学生でも運動後のクールダウンが組み込まれていないと言う話をしばしば聞きます。
寝て休めば運動したときの疲労が完全回復すると思われがちですが、限度があります。翌日にも疲労が強く残ることが多いようであればアフターケア不足は否めません。
肉離れや筋硬結ができてしまう、筋肉同士の滑りが悪くなってしまう要因に筋肉の柔軟性の低下があげられます。では、筋肉の柔軟性を悪くしないためにできる対策は何があるのでしょうか。
第一に重要なことは、アフターケアを行うことです。アフターケアをするだけで多くの故障が防げます。アフターケアの方法はいくつかあります。
静的ストレッチとは、柔軟性が落ちている筋肉を持続的に伸ばすことで柔軟性を獲得するストレッチ方法です。太もも裏やふくらはぎなど張りや痛みを感じる部分に静的ストレッチを行うことで、筋肉の血行改善や柔軟性改善が期待されます。
筋肉がしっかりと伸びて緩む感覚があれば、そのストレッチを定期的に続けることで筋肉の柔軟性が獲得できます。しかし、ストレッチしても筋肉が張っている感覚だけで緩む感覚が得られない場合は、専門家に相談が必要です。
動的ストレッチとは、柔軟性が落ちて正しく動かせていない筋肉を動かしながら伸ばしていくことで柔軟性を獲得するストレッチ方法です。準備体操時によく使われますが、ラジオ体操やブラジル体操などがその例です。
ラジオ体操は、適当にやっている方も多いですが、準備運動としてはすごく良い運動が多く含まれています。汗かくくらいに全力でやってみると良いでしょう!
またバーベルトレーニングのデッドリフトは、ハムストリングスを鍛える種目ですが、バーを床に下ろす動きの際にはハムストリングスを収縮しながらストレッチすることができます。
こういった引き伸ばされながら力を入れる動作でも筋肉の柔軟性を高めることができます。クールダウンで用いる場合は、低負荷高頻度行うと怪我のリスクを減らしながら行うことができます。
筋肉の血行改善には入浴して血液循環を促すことも重要です。湯船に浸からず、シャワーだけで済ませる方の多くが実は筋肉の柔軟性は低下しています。
38〜41℃のお湯に水分を摂りながらゆっくり浸かってみてください。時間は、気持ちよさを感じるまでなので人により異なりますが、30分〜1時間程度になります。
最近CMでも見かけるようになっているマッサージガン。筋肉の硬さを緩めたり、血行改善に活用することができます。
筋肉の張りがあり、振動すると気持ちいい感覚があるところに30秒〜2分程度当てて、1〜2cm程度ずらして場所を変えながらほぐしてみましょう。
同じところを2分以上やってもほぐれない場合は、なにか他の原因によって緩まない可能性があるので当て続けないようにしましょう。
マッサージガンの使い方に関する記事もありますのでご参考にしてください。
マッサージガンのメリットとデメリットを知って、効果的に活用しよう!整形外科に受診しても飲み薬や湿布などの処方で終わってしまう場合は、整体などを活用してからだのメンテナンスをするのも方法です。筋硬結が起きてしまう原因をしっかりと探し出し、コンディショニングしてもらえるお店を利用してみましょう。
太もも裏やふくらはぎの痛みがある場合、太もも裏・ふくらはぎの痛み
筋膜リリースセルフケアをしていても自分の体の使い方をしっかりと理解した上で行わないと限界があります。そういった場合は、自分の体の使い方が今どうなっているのかをしっかりと調べて身体の使い方から教えてもらえる理学療法士などに相談するのがおすすめです。
筋肉の柔軟性を引き出す施術だけでなく、自分にあった運動後のアフターケアの方法を指導してもらえるでしょう。
今回は、肉離れと感じる太もも裏とふくらはぎの張り・痛みについて解説しました。今あなたが感じている太もも裏・ふくらはぎの定期的な痛みが肉離れなのか、肉離れではないのかを知るきっかけになれば幸いです。
歩けないくらいの痛みは、必ず整形外科に受診し適切な治療を受けましょう。整形外科に行ってMRIを撮っても肉離れの診断が下りず、痛み止めや湿布の処方だけで終わってしまった場合は、筋肉の柔軟性がかなり悪くなっている状態ですので一度しっかりと施術してもらうほうがいいでしょう。
整体サロンHarmoniaでは、肉離れではない太もも裏の痛み・ふくらはぎの痛みを施術・ストレッチ・トレーニングを活用して改善へ導きます。しばらく悩んでいる太もも裏・ふくらはぎの痛み、どこに行ってもかわらない場合はぜひご相談ください。