医療・福祉のリハビリ現場で10年以上経験を積んだ医療系国家資格保有のスタッフが対応!

津軽三味線奏者の右肩の痛み・腕の張り・腰痛が起こるのはなぜ?原因と対処法について解説!

津軽三味線奏者の右肩の痛み・腕の張り・腰痛が起こるのはなぜ?原因と対処法について解説します。

 先日、津軽三味線奏者であり歌手活動もされている方のコンディショニングをさせていただき、「五十肩による右肩の痛み」「撥(バチ)を持つ右腕の張り」「腰痛」のお悩みに対応させていただきました。

コンディショニングを行うことでみえてきた、三味線演奏で起こる右肩の痛み(五十肩)と右前腕の張り・痛み、腰痛それぞれについての原因と対処法についてご紹介します。

津軽三味線奏者の五十肩・右前腕の張りの原因について

 今回感じておられた五十肩・右前腕の張り・腰痛。体の状態を確認させていただいた上で考えられた主な原因は、

  • 三味線の一般的な構え方・腕の使い方
  • 演奏中の姿勢

が挙げられます。

三味線の一般的な構え方・腕の使い方問題

 三味線は、右太ももの上に胴を置き、胴掛けに右前腕部分を乗せて三味線本体を固定しています。この状態で、撥(バチ)を使って弦を打ったり弾いたりすることで音を鳴らします。

  • 胴掛けに前腕を当てて三味線を固定する
  • 手首を曲げ、前腕をねじる動きを使って撥を操作する

といったの動作に肩・前腕に痛みが出る原因が隠されています。

津軽三味線奏者の椅子に座った演奏姿勢の写真です。右肩が丸まり背中・腰を丸め、右膝を曲げて右踵が浮かせて踏みしめて支えている状態です。
津軽三味線の演奏姿勢(施術前)

肩の痛み・五十肩になってしまう原因ですが、前腕を胴掛け乗せて三味線を固定することにあります。三味線を固定する際に脇の下を締めて三味線を固定しようとする力が働いてしまうと、巻き肩を助長するようになります。

脇を締めて固定した状態で、撥を扱うと手首をねじる筋肉に負担がかかりやすくなり曲げるための筋肉が力みやすくなるのです。

演奏に夢中になっているときや弦を強く弾くときに必要以上に力んでしまうことにもつながっています。

演奏中の姿勢問題

 三味線演奏中の姿勢において、肩・腕の痛みの原因として考えられることは

  • 猫背・腰が丸まっている
  • 巻き肩になっている

ということです。

津軽三味線奏者の椅子に座った演奏姿勢を横からみた写真です。右肩が丸まり背中・腰を丸めて座っています。

猫背・巻き肩のように肩が前方向へ丸まっていると胸の前側から上腕が力みやすくなります。腰が丸まっていることで腰を支える筋肉であり、上腕の前側までついている広背筋という筋肉が力んでしまい肩・腕の痛みや張り、腰痛につながるのです。

できる対策は?

三味線演奏時の肩の痛み・腕の張り・腰痛にできる対策についてご紹介します。

三味線固定は抱えるよりも前腕を乗せ、右太ももと挟むイメージ

 三味線を安定させるために、胴を抱えるように抑えるとクライアントさんからお聞きしましたが、抱えるイメージが強すぎると脇の下を締める力みに繋がります。

腕の重みを活用し、胴掛けに前腕を乗せて右太ももとはさみながらお腹に付けるイメージにすると脇の下を締める力みが少なくなります。

三味線の胴を固定するときは、前腕の重みを胴掛けに乗せるイメージと太ももとで挟むようにする。意図的に前腕で胴掛けを押さえようとすると肩の筋肉の過剰な緊張につながる。

撥を打つ・弾くときは手首の小指側を支点にする

 撥を打つとき・弾くときどこを支点にしているでしょうか。撥の中央部分を支点にしている場合は、前腕部分の関節運動を適切に行えず力みにつながります。

解剖学・運動学上の関節の動きを踏まえると、手首の小指側を支点にし、撥の先で弧を描くように操作すると前腕の筋肉の負担が最小限となります。

撥を操作する際に、小指側に撥を流すように手首を外側にねじってしまうと、手首に力みが生じやすくなるため注意してください。

三味線演奏で撥を扱うときは、手首の小指側を回転軸の中心として、撥の先で弧を描くように扱う。

座るときは坐骨の上に上半身と頭が来るように意識

 三味線は座って演奏することがほとんどですが、その際に猫背であったり骨盤を後ろに傾けて尾てい骨で座ってしまうと肩の痛み・腰痛の原因となります。骨盤を立てて座るために、坐骨というお尻の骨の部分に上半身と頭の重心を乗せておくことが大切です。

座奏では、両足で支えるという意識の方もおりますが、足で踏ん張って座り姿勢を支えていると太もも裏が張りやすくなり腰痛につながる場合があります。

津軽三味線奏者の方の施術後の坐位姿勢を横から撮影した様子です。坐骨の上に上半身・頭が乗っている状態になっています。
坐骨の上に上半身・頭が位置した状態(施術後)

セルフケアをする

 力んでしまった脇の下の筋肉や肩周囲の筋肉をほぐすストレッチや上半身の柔軟性を引き出すエクササイズを行い、肩や腕の力みが起きにくい身体環境にしていくというのが大切です。

例としていくつかストレッチをご紹介します。

まずは、肩周囲から腰にかけての筋肉を緩めるストレッチです。

次に、撥を扱う指を握る筋肉が硬くなるのを予防するためのストレッチです。

さらにもう一つ、肘の張りを緩めるストレッチです。

これらのストレッチは、一例でありその人それぞれにより必要なストレッチは異なります。ストレッチを行い、肩の痛みやバンザイ動作が困難な方は一度しっかり専門家に相談しましょう。

自分で姿勢が修正できない場合は、専門家に相談する

 演奏姿勢や撥の動かし方、三味線の構え方を修正しても張りや痛みが取れない場合は、肩周囲や体幹の筋力バランスが崩れてしまいセルフケアでは治らない状態となっています。楽器演奏特有の症状であることを踏まえると、楽器演奏の姿勢をもとにして身体のケアをしてもらえる理学療法士などの専門家に相談してみるのが一つの方法です。

津軽三味線奏者であり歌手の澤田慶仁さんを施術対応させていただきました!

まとめ

 津軽三味線奏者の右肩の痛み・前腕の張り・腰痛の原因と対策について解説しました。撥を扱って弦を打ったり弾いたりするときに効率よく撥が扱えていないこと、三味線本体を身体に固定するために力んでしまうこと、演奏中の姿勢が崩れていることが右肩の痛み・前腕の張り・腰痛につながっていることをご紹介しました。

紹介しているストレッチは、ごく一例であり、これらのストレッチで変化が出ない方もいます。そのような場合は、ぜひ整体サロンHarmoniaに一度ご相談ください。演奏姿勢や演奏動作に基づいて不調が起こる原因を探し出して根本改善を行います。

プロ・アマチュア問わず、楽しく演奏できる身体でいてほしいという思いで活動していますので悩んだらお問い合わせだけでもいいのでご連絡ください。

施術前後の演奏パフォーマンスの違いを動画でも確認!

 今回施術させていただいたクライアントさんの許可をいただき、YouTubeに施術前後の変化を掲載させていただいています。

ハルモニアのコンディショニングでどんな変化が起こったのか、ぜひご確認ください。

ご予約方法

 整体サロンHarmonia(ハルモニア)は完全予約制です。以下の予約フォーム、LINE、お電話のいずれかでご予約ください。

※オンラインでの楽器奏者のコンディショニング相談に関しては、予約フォームあるいはLINE予約よりご予約ください。
※予約フォームは予約は希望時間の1時間前までです。当日予約をご希望の方はお電話かLINEが確実です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください