楽器のレッスン中、先生から「もっと脱力して!」と言われても、どうすればいいか分からず困っていませんか? 頑張って力を抜こうとしても、なぜか体がこわばってしまう…。そんな経験がある方は、決して少なくないでしょう。
脱力できないのは、あなたの努力不足ではありません。実は、そこには脱力を妨げている根本的な原因が隠されていることが多いのです。
演奏中の力みが脱力できないのには理由があるんです。よくある4つの理由をお伝えします。
日頃から猫背だったり、座る時に腰を丸めていたりしませんか? また、過去に側弯を指摘されていたり、膝が内側に入ってつま先が外に向いてしまう姿勢の歪みがある方もいらっしゃいます。
このような姿勢の崩れは、特定の筋肉に常に負担をかけ、全身のバランスを崩してしまいます。結果として、楽器を構えた際に無意識に力が入ってしまい、脱力を妨げる原因となります。

管楽器を演奏する方に多いのが巻き肩です。巻き肩になっていると、多くの人が肩関節の上腕骨が前に出てしまう『骨頭前方偏位(こっとうぜんほうへんい)』の状態になっています。
骨頭前方偏位が起こっていると、腕を空間で支えるときに肩の後ろ側の力みや肘を曲げる力みが生まれやすくなり、楽器を支える腕全体の使い方が非常に非効率になります。
無理な体勢で楽器を支え続けることで、肩や首、腕に余計な力が入ってしまい、スムーズな演奏や脱力を妨げてしまうのです。

演奏中に感じる「もっと上達したい」「失敗したくない」という不安や焦り、そして日常生活での過度なストレスも、脱力を困難にする大きな要因です。
精神的な緊張は、無意識のうちに筋肉を硬直させ、リラックスできなくなります。体は正直なもので、心と密接に繋がっているため、ストレスが溜まっていると脱力しにくくなるのは当然のことなのです。

管楽器の場合、呼吸コントロールが不良であることも脱力できない原因の一つです。腹式呼吸を意識するあまり、上半身を支えるために必要なお腹の筋肉(腹横筋や内腹斜筋)がうまく使えていない人が多いです。
また、肋骨の動きを固めてしまって肺が効率よく広がらなくなっている人、膨らませた腹部を上腹部から丸めて息を吐いている人も多く、安定した息の供給ができず、それを補おうとして体の表面的な筋肉に余計な力が入っています。
結果として、首や肩、お腹周りがガチガチになり、脱力とは程遠い状態になってしまいます。

「もっと脱力して」と言われるたびに、無理に力を抜こうと頑張っていませんか? しかし、上記のような根本原因がある場合、闇雲に奏法を変えようとしても、なかなか効果は出ません。
逆に身体の負担が増える可能性があります。脱力ができないことで不調をそのままにしておくと、首こり・肩こり、腱鞘炎、ばね指などの不調が起きやすくなります。
本当に大切なのは、脱力が自然とできる身体の状態に整えることです。
そのためには、ご自身の脱力できない原因がどこにあるのかをしっかりと調べ、一人ひとりに合った方法でで改善していく必要があります。
これらの原因は、ご自身で判断し、改善するのは非常に難しいものです。
姿勢の専門家や体の使い方に詳しい専門家に相談することで、あなたの脱力を妨げている本当の原因を見つけ出し、的確なアドバイスと施術を受けることができます。
「もっと脱力して」という言葉に悩むのは、もう終わりにしませんか? あなたの体の状態をプロに診てもらい、脱力が自然とできる身体を手に入れることで、きっとあなたの演奏は大きく変わるはずです。
ご自身の身体と真剣に向き合い、最高のパフォーマンスを手に入れるための第一歩を踏み出しましょう。
整体サロンHarmoniaは、楽器奏者に起こる身体の不調を整え、演奏パフォーマンスアップを図る「楽器奏者のコンディショニング」を行っています。
- 指がうまく動きにくい
- 手首が痛くなる
- 肩の後ろが痛くなる
- 肘が伸びにくい
などの不調がある場合は、一人で解決しようとせずHarmoniaにご相談ください。どうしたらいいかわからない場合は、自己流でどうにかせず相談できる場所を作ってください。
できる限り長く楽器演奏が続けられるためのコンディショニングをサポートいたします!