2022年2月23日(水・祝)に静岡県フルート協会にお招きいただき、フルート協会会員40名以上の方を前に「フルート奏者のセルフケア」と題して、フルート奏者の故障やパフォーマンスの低下を減らすためのストレッチや体操を伝える講習会の講師を務めさせていただきました。
以前書いたブログでもご紹介しているように、フルート演奏は左右非対称な姿勢で行うため身体の不調が起きやすくなります。
今回は、講習会にてどんなことをお話したのかなどを簡単にですが解説させていただきます。
静岡県フルート協会員2名(男性1名・女性1名)の方にご協力いただき、各会員様のフルートの演奏姿勢を確認させていただいた上で、おひとりの方に中指・薬指の動きにくさに対するセルフケアの方法を、もうひとりの方に巻き肩と右肩が下がってしまうことに対するセルフケアの方法をそれぞれ提示させていただきました。
フルート演奏中の左右の中指・薬指の動きにくさ、親指の張りが気になっていらっしゃる方でした。特に薬指でトリルを行うときにリングキーから指がずれてしまったりリズムよく動かせないとのお話がありましたので、指にまつわるストレッチ・セルフケアをお伝えしました。
お伝えしたストレッチの例を2つご提示します!
中指・薬指それぞれの付け根の部分である中手指節関節を動かすためにある虫様筋・掌側骨間筋という手のひらの筋肉が硬くなることで、トリルなどリズムよく指を動かすことに影響を及ぼします。
肘を曲げた状態で手首を手の甲側へ反らし、中指または薬指をつかんで中手指節関節から手の甲側へ指を反らして虫様筋・掌側骨間筋を伸ばします。
実際にA様にも一緒に行っていただきました。
先程提示したストレッチで突っ張った状態から変化を感じない場合は、筋肉が硬くなり伸び縮みの機能が低下している場合があるためマッサージで一度ほぐして上げる必要があります。
親指や丸いテーブルの角、ゴルフボールなどを用いて痛気持ちいい程度の強さでもみほぐしましょう。
このマッサージ後に改めて先に紹介したストレッチを行うと伸びやすくなります。
上記のストレッチ以外にも親指のストレッチ、浅指屈筋・深指屈筋という指を曲げてくるための筋肉のストレッチもご紹介しました。(※ストレッチを知りたい方はHarmonia公式LINEなどから直接お問い合わせ・ご相談ください!)
提案させていただいたストレッチ・マッサージなどを行ったあとは、トリルの動きが行いやすくなったとの感想をいただきました。
フルートを構えていると右肩が下がりやすい・両胸がつることがあるという方でした。猫背・巻き肩もみられ、スウェイバック姿勢という姿勢になっておられました。今回は、肩が下がってしまう原因と胸がつってしまう原因に対してストレッチや体操をお伝えしました。
お伝えしたストレッチの例を2つご紹介します。
その他にも、立った状態での脇の下から腰まで伸ばすストレッチと壁を使った胸の筋肉のストレッチをお伝えしました。
始めと終わりの楽器を構えたときの腕の軽さ・呼吸のしやすさが変わったとのお話をいただきました。
事前質問がいくつかありました。
- 中学生の生徒で上半身を反って楽器を構えてしまうがどうしたらいい?
- 首の痛みがあるがストレッチの方法は?
- 左肩が痛くなるがどうしたらいいか?
- 右肩から手首まで痛くなるのはどうしたらいいか?
- 本番前にできる準備運動はなにかないか?
こちらも口頭説明できる部分をさせていただき、時間として間に合わないことを予測して事前資料としてストレッチの方法をご提示させていただきました。例を出して一つご紹介します。
資料には何種類か肩甲骨・上半身の柔軟性を引き出す運動を提示させていただきましたが、一番簡単かつ誰でも知っているラジオ体操第一が準備運動としては最適です。
胸郭の柔軟性を引き出すための上半身を左右に倒す運動やねじる運動、下半身の支持をしっかりするためのジャンプや開脚運動など全身を動かす要素がたくさんに盛り込まれています。
そして、いちばん大事なのは動作を大きく、動ける範囲最大限に動くということです。
講習会にて話しきれなかった内容は、先日3月2日(木)に行ったライブ配信にて解説していますので、御覧ください!
※この記事を書いているしぶいちの音声が小さく、配信を一緒に行っているきむらさんの音声が大きくなってしまいました。申し訳ございません。お聞き苦しい部分があるかと思いますがご了承ください。
今回は、フルート奏者の方へ向けて講習会を行った活動報告をさせていただきました。左右非対称な演奏姿勢となる楽器は、日常生活とは逸脱した姿勢となるため負担はかかりやすくなります。
身体の不調はいつものことだからと放っておいてしまうといずれ不調が表面化し、演奏パフォーマンスへ影響します。今回ご依頼いただきました講習会でも、身体の不調に悩まれている方々が多いことも改めて感じる機会となりました。
セルフケアを覚えておくだけでも疲労の蓄積度合いは変わります。講習会形式でなくても、少人数グループでのワークショップ依頼でも結構ですのでお問い合わせいただければ幸いです。
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