姿勢の崩れによって肩こり・腰痛・むくみなど身体の不調が起きやすいという話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。猫背や反り腰、スウェイバック、巻き肩など不調を引き起こす姿勢は様々です。
では、不調が起きにくい良い姿勢とはどのような姿勢でしょうか。みなさんは、ニュートラルポジションという言葉をご存知でしょうか。音楽家の世界では知っている人も多い言葉かもしれません。
音楽家やスポーツマンにおけるパフォーマンスに関わる姿勢であるのはもちろんのこと、日常生活において肩こりや腰痛、膝関節痛などにおいても重要な役割を持っているニュートラルポジション。
知っている方は復習として、知らない方はニュートラルポジションが以下に大事であるかを以下に解説していきます。
ニュートラルポジションとは、一言でいうとバランスが取れた自然な姿勢です。
各関節への負担は最小限であり、運動機能も円滑に発揮しやすい状態で、身体の内部構造(心臓や肺など)の働きも最も効率よい状態と言われています。
スポーツにおいては、野球肩やテニス肘など局所の負担が出にくい姿勢であり、楽器演奏では、力みや過度な疲労を伴いにくく、呼吸においては息を吸いやすく吐きやすい姿勢となります。身体を効率よく使うことができ、局所に負担がかかることがない標準姿勢です。
ニュートラルポジションは、大きく分けて姿勢の2面から目安が示されています。
解剖学・運動学を学ぶ上で、理想的な姿勢とされている基準があります。このポジションがニュートラルポジションの目安となっています。
前額面という身体を正面・または背中側からみた姿勢の面がありますが、前額面での基準点がいくつか存在します。
- 後頭隆起
後頭部を触ると出っ張っている部分の中央部です。 - 椎骨棘突起
背骨である脊柱は椎骨と呼ばれる骨が頚椎に7個、胸椎12個、腰椎5個存在し、それぞれに棘突起と呼ばれる背中の中央に触れる硬い骨の部分が存在します。 - 殿裂
その名の通り、お尻の割れ目の部分です。 - 両膝関節の内側の中心
両側の膝関節を結んだ線の中央部分のことを指します。 - 両脛骨内果間の中心
両側の内くるぶしを結んだ線の中央部分のことを指します。

ここの5点と体の重心を床に対して垂直に垂らした線である重心線が一直線に並ぶ姿勢が理想の姿勢と言われており、この理想の姿勢がニュートラルポジションと言われることもあります。
側面からみた姿勢を解剖学的にいうと矢状面といいます。この矢状面にも理想的な姿勢となるために必要な基準点が存在します。
- 耳垂
耳たぶのことです。 - 肩峰
耳元から腕に向けて体の側面を触った時に肩から腕に移行する部分で硬く触る骨の部分です。 - 大転子
キューピー人形の姿勢をとって手首で股関節の側面を叩いた時に硬く触れる部分です。 - 膝関節前部(膝蓋骨後面)
膝のお皿の部分が大腿骨という骨に触れている部分を横からポイントです。 - 腓骨外果の前方
外くるぶしの出っ張っているところより前側の部分を指します。

これらの5点が一直線に揃った際に理想的なアライメントであり無駄な力が入らないニュートラルポジションと言われることもあります。
ニュートラルポジションを保つには、私たちの体の『抗重力筋』が適切に機能していることが不可欠です。抗重力筋とは、重力に抗って私たちの体を支え、正しい姿勢を保つために働く筋肉群のことです。
インナーマッスルと呼ばれる腹横筋であったり、股関節を支えるために重要な腸腰筋や大殿筋など全身の様々な筋肉がバランスよく働くことで、私たちは無理なく自然な姿勢を保つことができています。
実は、抗重力筋の機能は、赤ちゃんの頃からの寝返りやハイハイ、つかまり立ち、歩行などの成長過程で地道に鍛え上げられ、学生時代の運動や部活動で地道に鍛えられている筋肉です。
しかし、日常生活での長時間の座り仕事や運動不足により、これらの抗重力筋が弱まってしまうのです。

姿勢を支えるために重要な抗重力筋の弱くなると、ニュートラルポジションを維持できず、姿勢が崩れやすくなります。
すると、胸の前側や太ももの筋肉、ふくらはぎが硬くなったり、股関節を曲げる筋肉や腿の後ろの筋肉、背中の筋肉が弱くなったりと不調につながる身体の使い方へと変化していきます。
ストレートネックや猫背、反り腰、スウェイバック姿勢が典型的な例です。
これらの姿勢は肩こりや腰痛、五十肩など、なかなか取れない疲労や痛みの原因となります。

また、姿勢の崩れから硬くなる筋肉・うまく力が出ない筋肉が増えることで体の動きが制限され、日常生活・スポーツ・楽器演奏などにおいて自分が思っているような動きができないパフォーマンス低下につながります。
家族から姿勢が悪くなったねと言われたり、楽器演奏や合唱など習っている方であれば、「姿勢を正して」とか「背筋を伸ばして」と言われている場合は、姿勢が崩れていることがほとんどです。
しかし、「姿勢を正す」「背筋を伸ばす」という言葉だけではニュートラルポジションが保てるようになるかというとそうではありません。
筋力が弱いのか、関節の柔軟性が乏しいのか、日常生活での身体の使い方に問題があるのかなど、その人それぞれで体の使い方は異なります。
背筋を伸ばすと逆効果だったり、背中を正そうと思ってもうまく行かない場合は、姿勢改善の専門家に相談して何が原因なのか知って、改善できるといいでしょう。
ニュートラルポジションは、日常生活や楽器演奏中に保てるように、抗重力筋の働きが重要となります。しかし、生活様式が和式から洋式に変化してきた日本人は、和式生活で自然と鍛えられていた腹横筋や腸腰筋などの筋力が弱くなる傾向にあり、抗重力筋のバランスが崩れやすくなっています。
そのため、肩こりや腰痛、股関節痛や膝関節痛が起こりやすくなっているのです。
また、声楽や楽器演奏、スポーツにおいても、ニュートラルポジションはとても大事な姿勢となります。張りや痛み、パフォーマンス低下を感じている人に関しては、抗重力筋の筋力バランスを整え、姿勢を見直してみましょう。
姿勢をセルフケアで治すのが難しい、レッスンで背筋を伸ばすように逐一言われてしまうといった方は、専門家に頼ってみましょう。必ず助けになってくれるはずです。
埼玉県熊谷市にある整体サロンHarmoniaでは、姿勢・動作の専門家である理学療法士の資格を持ち、10年以上リハビリ職として従事してきたスタッフが在籍しています。
- 姿勢が気になる
- 楽器演奏中に肩が張る
- 腰痛が起きやすい
など、姿勢が原因で起こる不調に関しては整体サロンHarmoniaにご相談ください。
出産による姿勢の崩れは産前産後ボディケア・声楽や楽器奏者の姿勢の崩れの問題も楽器奏者のコンディショニングにて対応しています。
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[…] これらの姿勢は、良いパフォーマンスを発揮しやすい姿勢であるをニュートラルポジションから逸脱している姿勢であり、演奏姿勢や演奏動作にて局所の負担を蓄積しやすくなります。 […]