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楽器奏者はアスリート?!アスリートに例えられるのはなぜか、からだのケア必要性も含めて解説!

 楽器演奏を生業にしている方で「音楽家(楽器奏者)はアスリートである」といった例え方を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。「楽器演奏するだけなのにアスリートなわけ無いでしょ…アスリートはスポーツだけ!」と思う方がほとんどかと思います。では、どうしてアスリートに例えられることがあるのでしょうか。

それは、アスリート同様「本番に向けて練習を積み重ね、緊張の中で最大限のパフォーマンスを発揮する」ことに由来します。

どの症状も、パフォーマンス低下が起こっている状態です。これらの症状は、練習不足だけが原因だとおもっていませんか?

実は、日常生活における姿勢の崩れ練習に伴う筋疲労の積み重ねによる筋肉自体が機能低下を起こしている可能性があります。腱鞘炎ばね指胸郭出口症候群フォーカルジストニアといった疾患は、オーバーワークやアフターケアが不十分なことで起こることが多いです。

楽器演奏は、スポーツするほど全身運動ではないため、疲れがあるのにも関わらず、「練習のしすぎで疲労しただけだから休めば治るだろう」と考える方は多いようですが、はっきり言って完全に回復しません。

今回はなぜ楽器奏者がアスリートと呼ばれるのかを解説していきます。

楽器奏者がアスリートと例えられる理由

では、楽器奏者がアスリートである理由を解説していきます。

まずはじめに、楽器奏者は演奏会やコンサート・コンクールに向け日々練習を続け、本番に最大限のパフォーマンスを発揮できるようにパフォーマンスを高めていきます。難しいフレーズや曲目がある場合は反復練習したり、オーケストラなどの合奏の機会が少ないと短期間に集中して練習を重ねていきます。

大きな身体の動きは伴いませんが、指や腕、呼吸機能といった部分はしっかり使っています。

一般的な日常生活での作業と楽器演奏時のエネルギー消費量について研究したデータがあります。体重1kgあたり1分間で消費しているカロリーを表にすると

作業内容kcal/min/kg
座位書字0.028~0.03
家の掃除0.04~0.05
歩行
(速度:ゆっくり~速い)
0.045~0.088
自転車乗り0.065~0.08
ジョギング0.095~0.135
日常生活での一般的な作業のエネルギー消費量
作業内容kcal/min/kg
フルート(座位)0.031
チェロ(座位)0.041
ピアノ0.038~0.04
ヴァイオリン(座位)0.044
歌唱
(立位:9~11歳)
0.037
楽器演奏でのエネルギー消費量

というのが報告されています。これを体重45kgの女性で考えた場合、

  • ジョギング45分=約192kcal
  • ピアノ演奏120分=約205kcal

と汗を書いて走ったときと同じくらいのカロリーをピアノでも消費するのです。大きな筋肉がついている下肢を動かさないため、疲労度・苦痛度を感じにくいので運動後のような疲れを感じることは少ないかもしれませんがしっかり疲労がたまることが考えられます。

演奏会・コンクールなど緊張やストレスなど精神的な負担がかかる場所での演奏時はもっと疲労がたまることが予測されます。

楽器奏者がからだのケアをしたほうがいいのはなぜか

 楽器演奏でもスポーツマン並みにエネルギーを消費しており、それに伴い疲労も局所的に起きています。

  • ピアノ演奏の際、テンポの早い楽曲で指のこわばりが強く、動きが追いつかない
  • チェロ演奏中、手首の痛みで弓に力を込められず、音の強弱が難しい
  • フルート演奏中、肩から腕が張ってしまう
  • ホルンで長いフレーズを吹いていると息が続かなくなってしまう
  • トランペットで強く音を出そうとしたりすると首の力みが出てしまう
  • 管楽器でブレスをうまくコントロールできず、息継ぎのタイミングが悪くなってしまう
  • 立って楽器を演奏していると腰が痛い

といった症状を感じたことがある方はからだのケアが必要です。また、不調を感じていなくても、音楽家が安定したパフォーマンスを発揮したり、維持していくためにからだのケアが必要な理由があります。

身体の左右のバランスが崩れやすい

 楽器演奏においては、楽器それぞれにおいて特有の演奏姿勢であります。フルートやバイオリン、チェロなど左右非対称な姿勢で演奏する楽器があります。

フルートを演奏している写真です。

非対称な姿勢で長時間の練習を積み重ねれば、身体の歪みが起きるのは当然なことです。

ですが、歪みをそのままにしたまま、演奏練習を続ければ、左右それぞれで異なる筋肉が過剰に疲労したり、逆に全く使われずに衰えてしまったりすることで左右の筋力バランスが崩れ、多用される筋肉と、弱くなっていく筋肉との筋力差が生まれます。

次第に、楽器演奏時の肩・腰・腕・手首・指にかかる局所的な負担が積み重なると力みやすくなり、結果として張りこわばり、最悪な状態として痛みしびれを生じるようになります。

肩・肘・手首・指の関節を繊細かつ繰り返し動かす

 楽器演奏に置いて、肩・肘・手首・指の動きは、フィンガリングやボウイング、キィコントロールなど繊細に動かします。曲目によっては、速い指の動きや弓の操作が必要になると疲労が溜まりやすくなります。楽器演奏する方は、指は曲げて使う頻度が多く、伸ばす機会が少なくなるため手のひらを開く可動域が狭くなりやすくなります。

そのまま指の筋肉の疲労から起こる硬さを放置しておくと、腱鞘炎やばね指につながります。

呼吸を使う楽器は、胸郭を固めやすい

 管楽器演奏は、呼吸で音を作り出します。瞬間的に息を吸い、持続的に吐くといった頻度が多く、楽曲により瞬間的に息を吐く場合もあります。呼吸には上半身、特に胸郭・胸椎の柔軟性が重要であり、努力呼気に使う肋間筋や腹筋群が自由に使えることが重要になります。

しかし、努力的に息を吐いたり吸ったりする習慣が増えると、呼吸筋が疲労して硬くなりやすくなります。また、猫背の状態で演奏したり、息を吐く際に背中を丸めながら腹部を潰すように息を吐く癖がつくと腹筋群が硬くなり、上半身の姿勢がまっすぐ起こしにくくなります。この状態が続くと息がだんだんと吸えなくなり、長いフレーズの曲が吹きにくくなるのです。

楽器奏者の方の身体の知識が乏しいことが問題

 楽器奏者のコンディショニングが必要な理由を挙げてきましたが、身体の使い方が日常生活とは異なるイレギュラーな使い方であるのは間違いありません。しかし、身体の負担がかかりやすいことに対する理解が乏しい部分があります。その背景には、楽器奏者の方が進むカリキュラムにあるとの話があります。

  • 身体のことについて学ぶ機会が少ない
  • 解剖学や運動学に基づいた骨格構造や関節運動、姿勢に関しての知識が乏しい
  • 奏法や技法、テクニックなどにおいて抽象的な表現が多く、感覚的な状態で理解しているところが多く、曖昧
  • 演奏でうまくいかないところを身体の使い方の問題と気づかずに徹底的に反復練習し、酷使してしまう

ということが挙げられます。そのため、自分の身体の使い方が間違っていても「疲労」と一言で済ませてしまうことが多いのです。

これが、楽器奏者の故障の原因となります。

関節がどのように動き、どの位置にあると限りなく最小限の負担で演奏練習をできるのかがわかると力みが減り、最小限のエネルギーで演奏することができ、全身で音楽を表現することにつながると考えられます。

最高の舞台で、最高のパフォーマンスを発揮できるように身体のコンディショニングを定期的に整えていただくことが大切です。

また、ピアノや管楽器、弦楽器の音楽教室の先生も同じことが言えます。曲を教えたりする際には手本を見せたり、横について指導したりすることで特定の動作や姿勢を取る傾向が強くなります。

まとめ

 楽器奏者がアスリートに例えられる理由を解説してきました。座って演奏している、立って演奏しているだけと思われがちですが、脳と指などの局所は活動量が多くなっており疲労がたまります。アフターケアをしない方も多くいらっしゃいますが、楽器奏者の場合、痛みを感じたときには筋肉がかなり硬くなっていることも多いため、からだのケアは大切です。

 整体サロンHarmoniaは、楽器奏者に起こりやすい指・手首・肘・肩・首の不調を整える楽器奏者のコンディショニングを行っています。解剖学、生理学、運動学、脳神経系や整形外科系の基礎知識を有し、姿勢・動作の専門家である理学療法士の国家資格を取得したスタッフが対応しています。

テクニックや奏法については、音楽の専門家ではないためお伝えできませんが、解剖学や運動学などから演奏される方のパフォーマンスアップにつながる身体の使い方の提案、負担となっている部分のコンディショニングをすることは可能です。

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エネルギー消費量に関する文献

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  • Baadjou AE, Marjon DF, Eijsden-Besseling, et al. Energy expenditure in brass and woodwind instrumentalists; the effect of body posture, Med Probl Perform Art, 26 (4); 218-222, 2011.
  • Taylor CM, Pye OF, AB Caldwell, ER Sostman, The energy expenditure of boys and girls 9 to 11 years of age (1) singing listening to the radio (phonograph), (2) siting singing, and (3)standing singing, The Winstar Inst Anat Biol., Jan: 1-10, 1949.

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